6. まとめにかえて

本記事では、公的年金の平均受給月額と、70歳代の貯蓄状況、そしてほぼ年金オンリーで暮らす65歳以上夫婦世帯の家計収支の現実を見てきました。

厚生年金の平均は14万円台後半、国民年金は5万円台後半でしたが、月額階級別の受給権者数を見ると、受給額には大きな個人差があることがわかります。

また、70歳代夫婦の貯蓄中央値は800万円、一方で貯蓄ゼロの世帯も2割以上存在し、資産格差の広がりも浮き彫りになりました。

さらに、標準的な年金収入で暮らす65歳以上の無職夫婦世帯の家計は、平均で月々3万4058円の赤字が生じており、年金だけで生活を維持するのが難しい現実も明らかになりました。

2025年後半にかけても、食料品を中心とした物価の動向から目が離せません。公的年金は生活の土台となりますが、それだけに頼るのではなく、資産状況に応じた老後の生活設計が不可欠です。

健康面・体力面が許すうちは短時間の就労で収入をカバーしたり、新NISAのような制度も活用した計画的な資産形成をしたりと、できることから少しずつ対策を始めていくことが、老後の安心につながるでしょう。

参考資料

マネー編集部貯蓄班