2. 給付付き税額控除の仕組みとは?所得に応じた3つの支援パターンを解説

給付付き税額控除とは、所得税の減税措置である「税額控除」と、現金の「給付」を組み合わせた制度です。

この制度の最も大きな特徴は、本来納めるべき税額よりも控除額が大きい場合、控除しきれなかった差額が現金として支給される点にあります。

この仕組みによって、所得が少なく納税額が低い方や、所得が基準を下回り所得税を納めていない非課税世帯の方々にも、支援が行き渡るように設計されています。

制度の恩恵の受け方には、主に3つのパターンがあります。「税額控除のみを受ける人」「税額控除と現金給付の両方を受ける人」「現金給付のみを受ける人」です。具体的な例で見ていきましょう。

2.1 【シミュレーション】控除額10万円の場合、どうなる?

例:【給付付き税額控除】控除額を10万円とした場合

例:【給付付き税額控除】控除額を10万円とした場合

出典:LIMO編集部作成

パターン1:中・高所得層の場合

  • 所得税の納税額が30万円(控除額10万円を上回るケース)
  • 適用される支援:10万円全額が減税(税額控除)となります。
  • 得られる効果:納税額が20万円に減り、税負担が軽減されます。

パターン2:低所得層の場合

  • 所得税の納税額が8万円(控除額10万円に満たないケース)
  • 適用される支援:納税額8万円分が減税され、納税はゼロになります。さらに、控除しきれなかった差額の2万円は現金で支給されます。
  • 得られる効果:税金の支払いがなくなる上に、2万円の現金を受け取れます。

パターン3:非課税世帯の場合

  • 所得税の納税額がゼロのケース
  • 適用される支援:所得税の支払いがないため、控除額の10万円が全額現金で支給されます。
  • 得られる効果:従来の減税策では支援の対象外だった世帯にも、直接的な経済支援が届きます。