元旦を迎えると、今年こそはお金のことをしっかり考えよう、そんな気持ちになる方も多いのではないでしょうか。

資産形成への意識が大きく変化している昨今、金融庁が2023年に実施した調査では、投資未経験者の約4割(37.8%)が「ここ数年で資産運用の重要性への認識が高まった」と回答しています。

特に50代では、その割合が40%を超え、これまで投資をしてこなかった人も、資産運用に対する関心を寄せていることが明らかになっています。

投資初心者の人が、最初の一歩として取りかかりやすい資産形成が「積立投資」です。しかし一方で、「50歳から積立投資を始めるのはもう手遅れだ」という先入観で、投資を躊躇う人も多いのではないでしょうか。

そこで本記事では、「50歳から月々1万円」の新NISA積立が、10年後、15年後、20年後にどのような結果を生むのかをシミュレーションしていきます。さらに、50歳からのスタートでも老後の生活を豊かにできる理由を、分かりやすく解説します。

ぜひ、これからの資産形成の参考にしてください。

1. 積立シミュレーション

今回は、50歳からの積立投資を想定し、投資額を毎月1万円・利回りを5%に固定した場合の10年、15年、20年後の運用結果をシミュレーションしていきます。

1.1 パターン1〜10年投資〜

【前提条件】

  • 投資月額:1万円
  • 利回り:5%
  • 積立期間:10年間

将来の運用資産額(10年間)2/5

将来の運用資産額(10年間)

出所:金融庁「つみたてシミュレーター」

【運用結果】

  • 投資元本:120万円
  • 運用収益:34万円
  • 運用後資産額:154万円

1.2 パターン2〜15年投資〜

【前提条件】

  • 投資月額:1万円
  • 利回り:5%
  • 積立期間:15年間

将来の運用資産額(15年間)3/5

将来の運用資産額(15年間)

出所:金融庁「つみたてシミュレーター」

【運用結果】

  • 投資元本:180万円
  • 運用収益:85万円
  • 運用後資産額:265万円

1.3 パターン3〜20年投資〜

【前提条件】

  • 投資月額:1万円
  • 利回り:5%
  • 積立期間:20年間

将来の運用資産額(20年間)4/5

将来の運用資産額(20年間)

出所:金融庁「つみたてシミュレーター」

【運用結果】

  • 投資元本:240万円
  • 運用収益:166万円
  • 運用後資産額:406万円

2. 50歳からでも積立投資がオススメの理由

シミュレーションにより、たとえ50歳からのスタートであっても、ある程度の年数を重ねることで、一定の投資結果を生み出せる可能性が秘めていることがわかったのではないでしょうか。

積立投資は、たとえ50歳からであっても遅くはありません。むしろ、本格的な老後の生活に向けて、実用的な資金を作るための大切な行動になり得ます。

ここからは、50歳からでも積立投資を始めることの大切さについて、詳しくお伝えしていきます。

2.1 セカンドライフに安心を作る

現代において、多くの人が定年退職後は年金収入に頼る生活を送っています。しかし、年金だけでは毎日の暮らしをやりくりするのが精一杯で、病気や怪我があった時のまとまったお金や、旅行に行ったり美味しいものを食べるために費やすお金が捻出できないと考えている人も多くいます。

そこで、たとえ50歳からの少額であっても、コツコツと積立投資をしておくことで、老後の「もしもの時」や「老後の楽しみ」のための資金を作ることができるのです。

50歳から、月1万円の投資でも、順調に積立ができれば10年間で154万円・15年間で265万円・20年間で406万円といった、大きなお金を作り出すことも夢ではありません。

もちろん、利回りは一定ではないため今回のシミュレーション結果はあくまでも一例ですが、毎月少しずつ貯金に回したお金が、育って手元に帰ってくることで、老後の生活に大きな安心をもたらしてくれるはずです。

2.2 老後の「余暇」を楽しむ資金作り

セカンドライフは、仕事や子育てに区切りをつけ、自分自身の人生を謳歌するための大切な時間です。

「夫婦でゆっくり海外旅行に行きたい」「新しい趣味を始めたい」「孫に好きなものを買ってあげたい」など、思い描く老後は人により様々です。積立投資は、こうした老後の「やりたいこと」を実現するための資金を作るのに最適な方法です。まだ現役時代である50歳から少しずつ準備をしておくことで、年金生活に入ってからも、お金を理由にやりたいことを諦めず、老後の人生の選択肢を広げ、生活を豊かなものにできます。

積立投資が豊かなセカンドライフを自分らしくデザインするための「楽しみの資金作り」になるのです。

2.3 少額からでも着実に育てる資産形成

「50歳からでは投資を始めるには遅い」と考える方もいるかもしれませんが、そんなことはありません。むしろ、50歳からコツコツと始めることで、想像以上の成果を得ることができるかもしれません。特に今回のシミュレーションのように少額で行う積立投資の魅力は、無理がなく継続できる点にあります。

生活に無理のない範囲で金額を設定し、長期的に続けて時間を味方につけることで、少額であってもお金を着実に育てていくことができます。

このように積立投資は、年齢や金銭的余裕を理由に諦めてしまう必要がない、堅実な資産投資と言えるのです。

2.4 長期的に取り組むとリスクも減少

投資というと「リスクが高い」「怖い」というイメージを持っている人も多いのではないでしょうか。特に、定年を控えた50歳代では、大きなリスクを負いたくないでしょう。

しかし、積立投資は長期的に続けることで、実はそのリスクを大きく軽減することができるのです。50歳から始めても、65歳や70歳までの15年から20年の期間があれば、市場の短期的な変動に左右されにくく、元本割れのリスクを限りなく減らした投資が可能になります。

経済市場は短期的には上下に変動していますが、長期的に見ると右肩上がりの傾向があります。そして、新NISA制度のつみたて投資枠で選択ができる多くの商品は、「インデックスファンド」と呼ばれる、市場価格に連動した商品となっています。

そのため、経済市場がゆるやかに上昇をしていくことで、投資商品も長期的に見ると緩やかに価値が上昇していくケースが多いのです。

また、定額を定期的に投資する方法は「ドルコスト平均法」と呼ばれ、市場価格が低いときには多くの口数を、高いときには少ない口数を自動的に購入することになります。これにより購入単価を上げてしまうことを抑えて、価格変動のリスクを減少させる効果があります。

「長期」「積立」「分散」投資のメリット5/5

「長期」「積立」「分散」投資のメリット

出所:金融庁「NISA早わかりガイドブック」

そのため、50歳になって「リスクのある投資は難しい」と考えている人であっても、新NISA制度の積立投資は比較的取り入れやすい資産運用といえるでしょう。

3. おわりに

50歳という人生の折り返し地点を過ぎてから始める投資に、「もう遅い」と諦めてしまう必要はありません。しかし、今回のシミュレーションが示すように、月々たった1万円からの積立投資でも、着実に老後の生活を支える資産形成は可能です。

資産形成を始めるのに「遅すぎる」ということはありません。大切なのは「まずは始めてみる」という一歩を踏み出すことです。

老後の「ちょっとした贅沢」や「万一の備え」に向けた安心を、今から作り初めてみてはいかがでしょうか。

その小さな一歩が、10年後、20年後の豊かなセカンドライフを創り出す、大きなきっかけになるはずです。

参考資料