株式市場の振り返り-日経平均株価はわずかに続伸、FOMC通過で投資家心理もやや改善

2019年3月22日(金)の主要指標(カッコ内は前日終値比)

  • 日経平均株価 21,627円(+18円、+0.1%) わずかに続伸
  • TOPIX 1,617.1(+2.7、+0.2%) 小幅続伸
  • 東証マザーズ株価指数 939.9(▲2.2、▲0.2%) 小幅反落

東証1部上場銘柄の概況

  • 値上がり銘柄数:1,392、値下がり銘柄数:653、変わらず:95
  • 値上がり業種数:25、値下がり業種数:8
  • 昨年来高値更新銘柄数:21、昨年来安値更新銘柄数:17

東証1部の出来高は13億6,559万株、売買代金は2兆6,254億円(概算)となり、いずれも前日より増加しました。日本が祭日(春分の日)で休場の間、米国株がやや荒い値動きだったものの、FOMCを通過した安心感から投資家心理が好転しました。売買代金は久しぶりに2兆5,000億円を超える水準まで増加しています。

そのような中、日経平均株価は方向感に乏しい展開となりました。寄り付きは+104円高となった後は利益確定売りに押され、後場の寄り直後には一時▲66円安まで下落する場面も見られました。その後は膠着状態となりましたが、最後はわずかな上昇となる続伸で引けています。上値は重いながらも、下値を拾う動きも活発な取引だったと言えましょう。

なお、TOPIXも同じような値動きで小幅上昇となる続伸で終わりました。

東証マザーズ株価指数は小幅反落、売買代金は32日連続で1,000億円超え

東証マザーズの出来高は9,325万株、売買代金1,493億円となりました。出来高は前日よりやや減りましたが、逆に売買代金はやや増加しています。出来高は連日で1億株を下回ったものの、売買代金は32日連続で1,000億円超になるなど、個人投資家の物色意欲はまだ続いていると考えられます。

ただ、株価指数は小幅下落となりました。このまま900ポイントを固めて、950ポイントを目指しに行くのか注目されましょう。

エーザイが異例のストップ安、ソニーも連日の急落で昨年来安値を更新

個別銘柄では、米国医薬大手と共同開発中のアルツハイマー型認知症の治療薬に関し、臨床試験の中止を発表したエーザイ(4523)に売りが殺到して取引が成立せず、最後は▲17%弱安でストップ安比例配分となりました。新興市場の医療バイオ関連株ならともかく、日経平均株価の採用銘柄でもある大手医薬品株がストップ安になるのは極めて異例です。

また、ゲーム関連株にも総じて売りが続き、ソニー(6758)が一時▲6%安に迫る急落となり、期末手前であるこの時期に昨年来安値を更新しました。

その他では、Googleマップから社名表記が消えたことで契約解除の憶測が流れた地図データベース会社のゼンリン(9474)が一時ストップ安(▲17%安)まで売られる大暴落となったことが目を引きました。

一方、東京エレクトロン(8035)やアドバンテスト(6857)が見直し買いから急騰し、住友不動産(8830)は7日連続で昨年来高値を更新しました。

また、連日で昨年来安値を更新していたスズキ(7269)が急反発し、前日に大幅安となった任天堂(7974)も小幅反発で引けています。

新興市場(東証マザーズ)では、3日連続でストップ高となっていた窪田製薬ホールディングス(4596)が取引時間中に昨年来高値を更新しましたが、その後は売りに押され、終わってみれば▲15%安に迫る暴落となりました。一方、メルカリ(4385)が堅調に推移し、シェアリングテクノロジー(3989)も大幅高となっています。

葛西 裕一