しかし、彼女の手取りではそうもいきません。毎月1万円の増額を検討したものの、何かあったときの貯金ができないのが不安だったといいます。彼女は「若いうちは医療保険に入るのでなく、貯金でカバーできるようにした方がいいと思った」と話してくれました。貯金のほうが何にでも使えますし、保険に入ったと思って保険料分を毎月貯金したほうがよっぽど将来につながると感じたのだそう。
そこで彼女は2カ月に1回、1万円増額することに決めました。「私の手取りで毎月1万円捻出するのは厳しいと感じました。でも、月5000円ならちょっと外出や買い物を我慢するだけで捻出できるかもと思ったんです」と話してくれました。
彼女は、銀行口座に置いておくとつい使ってしまうと考え、封筒に5000円を入れておいて次の月の5000円と合わせて銀行口座に入金し、それを増額分として返済していたといいます。
毎月たった5000円、年間にしても6万円と思うかもしれませんが、5年の間、年30万円をこの方法で返済しているわけですからバカにはできません。こうしたちょっとの工夫で無理なく返済できるようになるのです。
ボーナス活用の返済額は年60万円
彼女の返済の中で最も効いたのは、何と言ってもボーナス時の増額返済でした。彼女は年2回、給料2カ月分ほどのボーナスをもらっていました。そのうちの30万円を年2回、つまり1年で60万円をしっかり返済すると決めていたようです。「ボーナスのとき思い切り返済できるというのは自分の中である意味心の支えになっていた」という彼女。ボーナス全額ではなく、30万円と決めて返済しているのも貯金も心がけている彼女らしいと言えますね。
「全額返済に充てるのはちょっと怖くてできなかった。といっても残るのは10万円もないくらいのときもありましたが、それだけでも貯金に回せるのがうれしかった。何かあったときにどうしようという不安が少しずつ減っていく感じがした」と話してくれました。これを5年間続け、堅実に450万円を返済し終わりました。
まとめ
いかがでしたか。彼女のように、しっかりと計画的に負債を返済していくことで450万円という金額であっても5年で返済できるものです。負債は自分の人生の足かせとなることもよくあります。確かに社会人になったばかりのときはなかなか収入に余裕がないとは思いますが、ちょっとした工夫でなんとか少額でも返済額を増やせるように頑張ってみるのも大切なことですね。
大塚 ちえ