資産運用を考えている方や、すでに取り組んでいる方の中には、日本には富裕層・超富裕層といわれる人たちがどのくらいいるのか気になる方もいるのではないでしょうか。

野村総合研究所によると、日本における富裕層・超富裕層は年々増加傾向にあり、気づかないうちに富裕層の仲間入りをしている「いつの間にか富裕層」という新しい層も形成されています。

本記事では、日本の富裕層・超富裕層の割合や近年の傾向を解説するとともに、年代別の貯蓄額の平均値・中央値を紹介していきます。

1. 富裕層・超富裕層は全世帯の約3%で増加傾向にある

まずは、富裕層や超富裕層とは、どのくらいの資産を有している層を指すのか、その定義を確認していきましょう。

野村総合研究所は、世帯が保有する金融資産(株式や債券、投資信託など)の合計額から負債を除いた純金融資産保有額をもとに、国内の世帯を5つの階層に分類しました。

【階層:純金融資産保有額/世帯数】

  • 超富裕層:5億円以上/11万8000世帯
  • 富裕層:1億円以上5億円未満/153万5000世帯
  • 準富裕層:5000万円以上1億円未満/403万9000世帯
  • アッパーマス層:3000万円以上5000万円未満/576万5000世帯
  • マス層:3000万円未満/4424万7000世帯

富裕層は1億円以上5億円未満の純金融資産を保有している層で、153万5000世帯(約2.75%)存在し、超富裕層は5億円以上の純金融資産を保有している層で、11万8000世帯(約0.21%)存在するとされています。

富裕層と超富裕層を合わせると、全世帯の約2.96%となり、約100世帯に3世帯の割合で存在することになります。

また、富裕層・超富裕層の合計世帯数は2005年の統計開始以降年々増加傾向にあり、富裕層・超富裕層ともに2023年には2005年のおよそ2倍になっています。

富裕層・超富裕層が増加した背景としては、株価や投資信託といった資産の価値が大幅に上昇したことや、円安により外貨建て資産の価値が増加したことなどが考えられます。

また、相続により親から高額な資産を受け継いだことも理由のひとつとされています。