2. 現役時代の年金加入経歴別《65歳のモデル年金》5パターンで紹介
働き方や生き方が多様化する今、「将来、自分はどのくらいの年金を受け取れるんだろう?」と気になっている人もいるでしょう。
厚生労働省は、今回の年金改定の発表と同時に、「多様なライフコースに応じた年金額の例」も示しています。
ここでは、年金加入経歴を5つのパターン(男性2パターン、女性3パターン)に分類し、「2025年度に65歳になる人」を想定した年金額の概算が提示されています。

出所:厚生労働省「令和7年度の年金額改定についてお知らせします」
2.1 ケース①:男性・厚生年金期間中心
《年金月額》17万3457円
- 平均厚生年金期間:39.8年
- 平均収入:50万9000円※賞与含む月額換算。以下同じ。
- 基礎年金:6万8671円
- 厚生年金:10万4786円
2.2 ケース②:男性・国民年金(第1号被保険者)期間中心
《年金月額》6万2344円
- 平均厚生年金期間:7.6年
- 平均収入:36万4000円
- 基礎年金:4万8008円
- 厚生年金:1万4335円
2.3 ケース③:女性・厚生年金期間中心
《年金月額》13万2117円
- 平均厚生年金期間:33.4年
- 平均収入:35万6000円
- 基礎年金:7万566円
- 厚生年金:6万1551円
2.4 ケース④:女性・国民年金(第1号被保険者)期間中心
《年金月額》6万636円
- 平均厚生年金期間:6.5年
- 平均収入:25万1000円
- 基礎年金:5万2151円
- 厚生年金:8485円
2.5 ケース⑤:女性・国民年金(第3号被保険者)期間中心
《年金月額》7万6810円
- 平均厚生年金期間:6.7年
- 平均収入:26万3000円
- 基礎年金:6万7754円
- 厚生年金:9056円
上記の5つのケースからは、老後の受給額が「現役時代の加入制度」と「期間」によって、月額10万円以上の大差が生じる現実が見て取れます。
最大の要因は、厚生年金への加入状況です。会社員として長く働き、厚生年金に厚く加入してきた層が月額13万〜17万円台に達する一方、国民年金(第1号・第3号)が中心の層は6万〜7万円台に留まっています。
この月々数万円の差は、年間では数十万円の開きとなり、老後の生活水準を左右する決定的な差となります。
年金は決して一律ではなく、「現役時代の働き方の対価」がそのまま老後の収入として反映されるしくみです。
多様なキャリアパスがある現代だからこそ、自分の年金見込み額を早めに把握し、不足分をどうカバーするかを考えていくことが大切となるでしょう。