株式市場の振り返り-日経平均株価は3日ぶり反発、一時21,500円回復も上値の重い展開
2019年3月15日(金)の主要指標(カッコ内は前日終値比)
- 日経平均株価 21,450円(+163円、+0.8%) 3日ぶり反発
- TOPIX 1,602.6(+14.3、+0.9%) 3日ぶり反発
- 東証マザーズ株価指数 923.9(▲8.3、▲0.9%) 続落
東証1部上場銘柄の概況
- 値上がり銘柄数:1,434、値下がり銘柄数:634、変わらず:68
- 値上がり業種数:31、値下がり業種数:2
- 昨年来高値更新銘柄数:19、昨年来安値更新銘柄数:28
東証1部の出来高は14億8,329万株、売買代金は2兆7,889億円(概算)となり、いずれも前日より増加しました。英国ブレグジット問題が離脱先送りを決議したことや、円安進行などで投資家心理がやや改善したようです。
大引けに掛けて指数構成銘柄のリバランスに伴う売買も嵩んだ結果、売買代金は3兆円には届かなかったものの、2兆8,000億円レベルまで膨らみました。
そのような中、日経平均株価は終日プラス圏での推移となりました。ただ、前場の終盤に一時+234円高(21,500円台を回復)まで上昇しましたが、その後は上値が重くなり、上げ幅を徐々に縮小する展開となりました。結局、3日ぶりの反発で引けましたが、後場の停滞感が際立ったと言えましょう。
なお、TOPIXも同じような値動きで3日ぶりの反発となり、終値は3日ぶりに1,600ポイントを上回りました。
東証マザーズ株価指数は続落、売買代金は28日連続で1,000億円超え
東証マザーズの出来高は1億1,262万株、売買代金1,303億円となりました。出来高は前日より増えましたが、売買代金はやや減少しています。全体的には個人投資家の物色意欲は依然として旺盛であり、出来高は4日連続で1億株を上回り、売買代金は28日連続で1,000億円超となっています。
ただ、一部銘柄の利益確定売りも優勢となったこと等から、株価指数は続落となりました。このまま900ポイントを固めて、950ポイントを目指しに行くのか注目されましょう。
コマツなど中国関連機械株に買い戻し、三菱重工など防衛関連株も上昇
個別銘柄では、東京エレクトロン(8035)が大幅高となり、ファナック(6954)やユニー・ファミリーマートホールディングス(8028)も大きく値を上げました。
また、中国景況感の改善などを背景にコマツ(6301)や日立建機(6305)が買い戻され、安川電機(6506)やSMC(6273)などの機械株にも持続的な買いが入ったようです。
さらに、金融株にも見直し買いが入り、三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)など銀行株が大幅上昇となり、不動産株では住友不動産(8830)が3日連続で昨年来高値を更新したのが目を引きました。
その他では、北朝鮮が非核化交渉の中断を示唆したことで三菱重工業(7011)、IHI(7013)、川崎重工業(7012)などの防衛関連銘柄が大きく買われ、石川製作所(6208)は+25%超高の大爆騰となっています。
一方、主力大型株ではファーストリテイリング(9983)が逆行安となり、ハイテク株ではオムロン(6645)が大幅安で3日続落となり、ルネサスエレクトロニクス(6723)も大きく値を下げました。さらに、ハイテク株ではソニー(6758)、パナソニック(6752)、シャープ(6753)なども冴えない値動きで引けています。
その他では目立った下落は少なかったですが、前日に決算発表を行ったヤーマン(6630)が増益率の大幅鈍化を懸念され、一時▲15%超安の暴落となったことが注目を集めました。
新興市場(東証マザーズ)では、前日にストップ高となった窪田製薬ホールディングス(4596)が反落し、アンジェス(4563)も急落しました。また、MTG(7806)が再び昨年来安値を更新し、ドリコム(3793)も急落で引けています。一方、ウォンテッドリー(3991)が高値更新となり、メルカリ(4385)も小反発となりました。
葛西 裕一