12月は年金支給月！みんなの「厚生年金・国民年金」平均受給額と年金加入歴から見る「65歳時の受給額シミュレーション」【男女別に比較】年金だけで暮らす世帯はどれくらい？公的年金・恩給に頼る割合

4. 年金だけで暮らす世帯はどれくらい？公的年金・恩給に頼る割合

厚生労働省が公表した「2024（令和6）年国民生活基礎調査の概況」から、高齢者世帯（※）の収入の実態を見ていきましょう。

まず、高齢者世帯全体の平均的な所得構成を見ると、収入の63.5%を「公的年金・恩給」が占めており、次いで仕事による収入である「稼働所得」が25.3%、「財産所得」が4.6％となっています。

しかし、これはあくまで全体の平均値です。

「公的年金・恩給を受給している世帯」に絞ると、収入のすべてが「公的年金・恩給」である世帯が43.4%にものぼることがわかっています。

※高齢者世帯：65歳以上の者のみで構成するか、又はこれに18歳未満の者が加わった世帯

高齢者世帯の総所得に占める「公的年金・恩給」の割合別世帯構成

このようにシニア全体で見れば稼働所得なども一定の割合を占めていますが、年金受給世帯に絞ると、その半数近くが公的年金収入のみに頼って生活しているという実態が浮き彫りとなっています。

厚生年金の平均はおよそ月14万円。1万円刻みの分布を見ると、受給額には大きな差があり、男女差はなんと月6万円にもなります。さらに、働き方やライフコースによっては、年金額が月11万円以上も変わるケースもあるのです。

加えて、2024年の調査では、シニア世帯の約43％が「収入のすべてを公的年金に頼っている」という現実も明らかになりました。こうした数字を見ると、年金だけで安心できる時代ではないことがよくわかります。

まずは「ねんきんネット」で、ご自身の見込額をしっかり確認しましょう。そのうえで、新NISAやiDeCoなどの制度を活用し、年金にプラスする“自分でつくる3階部分”を今から準備することが大切です。

中本智恵