3. 老後資金に「必要な金額」とは?
今回のシミュレーションでは、月8万円・34年間で1億円を達成する投資シミュレーションを行いました。しかし、現実的には、月々8万円を34年間も継続して投資することは、多くの方にとって簡単なことではありません。さらに、老後に必要な資金は世帯によって様々であり、1億円もの資産が必要ではないケースも考えられます。
そこでここからは、老後の必要額を考えるためのポイントをご紹介します。
3.1 毎月の収支を考える
老後資金を考えるためには、まずは退職後の月々の収支を確認する必要があります。収入面では、年金がいくら受け取れるのか、支出面では、食費・光熱費・医療費・交際費など月々の生活費としていくらくらい掛かりそうか。
この「毎月の収入」と「毎月の支出」の差額が、貯蓄から毎月取り崩す必要がある金額となります。
3.2 老後の過ごし方を考える
次に大切なポイントは、どのような老後生活を送りたいかを具体的にイメージすることです。
例えば、海外旅行を定期的に楽しみたい、住宅ローンの一括返済をする必要がある、お孫さんの教育資金をサポートしたい、などといった老後を過ごしたいと考えている場合には、通常の生活費とは別に特別な出費として計画する必要があります。
一方で、生活としてはシンプルな暮らしを楽しむ予定であり、住居もローン返済が終わった持ち家がある場合であれば、そこまで大きな金額は必要ないかもしれません。
自分の老後の姿を具体的に描くことで、より現実的な資金計画が立てられます。
3.3 実際に必要な貯蓄額を計算する
上記の2つのポイントをもとに、具体的な老後資金の必要額を計算します。
「毎月の収支マイナス額 × 老後期間(年数×12ヶ月)」と「老後の大きなイベントや特別な出費」を合計した金額が、老後のために準備すべき資産額の目安となります。
例えば、月5万円の赤字が20年間続くと仮定すると、5万円×20年×12か月=1200万円が基本的な必要額です。ここに老後のイベント費用などを加えることで、必要な資産額が明らかになります。
