2. 【積立投資】考えておきたい「売却タイミング」の重要性

積立投資でしっかりと資産を築いても、売却のタイミングを間違えると、それまでの努力が水の泡になりかねません。投資で利益を出すには、資産価値が高いときに売ることが大切です。

しかし、「もっと上がるはず」と欲を出しすぎると、相場が急落し、かえって損をしてしまう危険も潜んでいます。

ここからは、積立投資の成果を最大化するための、売却タイミングに関する3つの考え方をお伝えします。

2.1 売却のタイミングに幅をもたせる

「65歳で定年する月に売る」といったように、売却時期をピンポイントで決めてしまうと、その時の相場が悪かった場合に身動きが取れなくなってしまいます。

そこでおすすめなのが、「来年から2年間の間に、相場が良いタイミングで売ろう」というように、売却する期間に幅を持たせておく考え方です。

数年単位の売却期間を設けることで、短期的な価格の暴落に巻き込まれにくくなり、長期的に値動きをみて売却のタイミングを判断することができます。

積立が終わったからといって、すぐに売る必要はありません。相場が回復するのをじっくり待つ「寝かせる」という選択肢も視野に入れ、余裕を持ったスケジュールを組んでおきましょう。

2.2 目標金額を達成したら売却する

投資を始める際に明確な目標金額を設定されている方は、その目標に到達したら、基本的には利益を確定させることをお勧めします。

市場価値が上がり続けているからといって、欲を出して売却を待ちすぎると、一転して暴落となり、せっかくの利益が消えてしまうリスクがあります。

老後資金や教育資金など、将来に必要な金額が確保できたと感じたら、潔く利益を確定させることも賢明な判断です。

「もっと上がるかも」という欲よりも、「必要な金額を確保できた」という安心を選ぶ勇気が大切となります。しかし、市場相場が上がり続けている局面で、一気に売却をしてしまうのはもったいない気がする…と思われる場合には、次に説明をする「段階的な売却」も選択肢の1つとなります。

2.3 段階的に売却をすることも可能

投資商品は、必ずしも一括で売却する必要はありません。全ての資産を一度に売却するのではなく、複数回に分けて段階的に売ることで、価格変動リスクを分散することが可能になります。

例えば、目標金額に達した時点で3分の1を売却し、半年後にさらに3分の1、残りは1年後に売却するといった計画を立てることも有効です。このように売却を分散させることで、一時的な市場の変動に左右されにくくなります。

特に新NISA口座での積立投資であれば、非課税で利益を受け取れるメリットがあります。他の収入と合算した際の税金の影響を考慮せずに、純粋に市場状況だけを見て売却タイミングを判断できるのも大きなポイントです。

運用益が非課税(NISA)

運用益が非課税(NISA)

出所:金融庁「NISAを知る」