周囲の家計状況は、誰でもつい知りたくなるもの。「みんな毎月いくら貯めているの?」と気になってはいませんか?
日本の貯蓄率は、一体どのくらいなのでしょうか。毎月の黒字や黒字率にまつわる調査結果から、貯蓄率をチェックしてみましょう!
日本の貯蓄率は?
まずは、総務省統計局による「家計調査」のデータを見ていきましょう。総務省は、家計の黒字・黒字率を以下の通りに定義しています。
(家計の)黒字=可処分所得-消費支出
黒字率=黒字/可処分所得
また、2017年の2人以上かつ勤労者世帯の1カ月あたりの家計収支は以下の通りです。
・実収入:53万3820円(うち、勤め先収入が49万3834円)
・消費支出:31万3057円(食料、住居、高熱・水道、家具・家事用品、被服及び履物、保険医療、交通・通信、教育、教育娯楽などを含む)
・非常費支出:9万9405円(税金や社会保険料など原則として世帯の自由にならない支出)
この結果から、黒字・黒字率を計算してみましょう。
可処分所得(手取り収入)=実収入-非消費支出(税金や社会保険料等)=43万4415万円
黒字=可処分所得-消費支出=12万1358万円
黒字率=黒字/可処分所得=12万1358万円÷43万4415円=約28%
つまり、勤労世帯は毎月手取り収入の約28%が、貯蓄などに充てられる黒字であると判断できます。この黒字の内訳も、あわせてチェックしておきましょう。
預貯金純増:7万6400円
保険純増:2万600円
有価証券純購入:8000円
土地家屋借金純増:3万600円
2人以上かつ勤労世帯では、1カ月あたり7万円以上の預貯金ができることになります。その次に金額の大きい「土地家屋借金純減」は、住宅ローンなどの返済が考えられます。
その一方、最も低い数字は「有価証券純購入」。リスクのある投資に手を出さない世帯も多いようですね。
過去からの推移は?
先ほどご紹介した通り、2017年の黒字は12万台という結果でした。この数字は、過去と比べてどう推移しているのでしょうか。過去10年における黒字を見てみましょう。
2008年:11万7800円
2009年:10万8900円
2010年:11万1700円
2011年:11万1700円
2012年:11万1100円
2013年:10万700円
2014年:10万4800円
2015年:11万1900円
2016年:11万9100円
2017年:12万1400円
ご覧のように、2013年以降は増加の一途を辿っています。このなかでも、とくに増えている項目は「預貯金」。今度は、その「預貯金純増」の推移を確認してみましょう。
2008年:5万5500円
2009年:4万5900円
2010年:5万4400円
2011年:5万4800円
2012年:5万6500円
2013年:5万3700円
2014年:5万7500円
2015年:6万4700円
2016年:7万1200円
2017年:7万6400円
黒字と同様に、預貯金も2013年から順調に増加しています。「増えた黒字は預貯金に」と考える世帯が多いことがうかがえますね。