2025年11月となり、朝晩の冷え込みが日に日に増してきました。冬支度を進めるこの時期、家計の支出が増える一方で、年金や貯蓄だけでは生活が苦しくなるという声もあるでしょう。
実は、高齢者や年金受給者を対象に「申請すればもらえる」国や自治体の給付金・手当が複数あることを知っているでしょうか。
特にシニア世代の場合、老後の生活費や医療費の支えとなる公的給付を見逃してしまうケースも少なくありません。
この記事では、年金受給者や働く高齢者が対象となる代表的な支援制度を紹介し、どのような人が対象になるのかをわかりやすく解説します。
1. 【年金受給者向け】支給対象になる場合「申請すればもらえるお金2選」
主な公的制度のうち、公的年金に関わるお金について見ていきましょう。
1.1 年金生活者支援給付金
年金生活者支援給付金制度は、公的年金等の収入や所得が一定基準以下の年金受給者に対し、生活の支援を目的として年金に上乗せして支給される制度です。
老齢年金生活者支援給付金の支給要件
- 65歳以上の老齢基礎年金の受給者
- 同一世帯の全員が市町村民税非課税
- 前年の公的年金等の収入金額(※1)とその他の所得との合計額が昭和31年4月2日以後に生まれの方は90万9000円以下、昭和31年4月1日以前に生まれの方は90万6700円以下(※2)
※1 障害年金・遺族年金等の非課税収入は含まれません。
※2 昭和31年4月2日以後に生まれた方で80万9000円を超え90万9000円以下である方、昭和31年4月1日以前に生まれた方で80万6700円を超え90万6700円以下である方には「補足的老齢年金生活者支援給付金」が支給されます。
なお、障害年金および遺族年金の受給者については別途要件が定められています。
給付額
老齢年金生活者支援給付金: 月額5450円(2025年度基準)
※実際の支給額は、保険料納付済期間や所得状況により異なります。
申請手続き
日本年金機構から送付される「年金生活者支援給付金請求書」を提出
もし期限を過ぎていても、2026年1月5日までに申請できれば、最大で3カ月分さかのぼって支給を受けられます。
1.2 加給年金
加給年金は、一定の条件を満たす場合に支給される年金です。
支給要件
厚生年金保険の被保険者期間が20年(※)以上ある方が、65歳到達時点(または定額部分支給開始年齢に到達した時点)で、その方に生計を維持されている配偶者または子がいるときに加算されます。
65歳到達後(または定額部分支給開始年齢に到達した後)、被保険者期間が20年(※)以上となった場合は、在職定時改定時、退職改定時(または70歳到達時)に生計を維持されている配偶者または子がいるときに加算されます。
※または、共済組合等の加入期間を除いた厚生年金の被保険者期間が40歳(女性と坑内員・船員は35歳)以降15年から19年
加給年金額
配偶者と1人目・2人目の子については各23万9300円、3人目以降の子は各7万9800円となっています。また、配偶者の加給年金の額には、老齢厚生年金を受けている方の生年月日に応じて、3万5400円から17万6600円が特別加算されます。

