2025年10月21日、高市早苗氏が第104代首相に選出されました。
高市首相が具体化を検討する「給付付き税額控除」。これは税額控除と現金給付を組み合わせた新しい所得再分配の仕組みです。
所得税から一定額を控除し、控除しきれない部分は現金で給付することで、納税者だけでなく非課税世帯にも支援が行き届きます。
1. 給付付き税額控除の仕組み
新しく自民党の総裁になった高市氏は、「給付付き税額控除」の具体化に向けた党内議論を進める方針を明らかにしています。
2025年10月時点で、給付付き税額控除はまだ正式決定(法制化)されていません。ただし、政府・与党は制度設計段階に入っており、今後正式決定する可能性があります。
給付付き税額控除とは、税額控除と現金給付を組み合わせた所得再分配制度です。まず所得税の税額から一定の金額を減税し、控除しきれない部分があれば、その差額を現金で支給する仕組みです。
2024年から2025年にかけて行われた定額減税やそれに伴う不足額給付と、仕組みは似ているといえます。
2. 給付付き税額控除の具体的な効果
給付付き税額控除が実現した場合、どのような影響があるのかを見てみましょう。10万円の給付付き税額控除が行われたケースを考えてみます。
10万円の給付付き税額控除が行われたケース2/2
LIMO編集部作成
- Aさん…所得税の納税額:10万円
- Bさん…所得税の納税額:5万円
- Cさん…所得税の納税額:0円
Aさんの場合、すべて税額控除の対象です。結果的に税金がゼロになり、給付はありません。
Bさんの場合、納める予定の5万円が税額控除の対象です。控除しきれていない5万円は給付という形で還元され、結果的に10万円の経済的恩恵を受けられます。
Cさんはそもそも税金を払っていないため、控除する税金がありません。この場合、10万円が全額給付という形で行われます。
このように、税金を負担している層だけでなく、低所得者層にも支援が行き届く点が特徴です。公平な支援と効果的な所得再分配を実現するうえで、給付付き税額控除にはある程度の効果が期待されています。
3. 給付付き税額控除のメリット
給付付き税額控除には、純粋な「給付」や「減税」とは異なるメリットがあります。
3.1 低所得者へも支援が可能
給付付き税額控除では、税額控除だけでは恩恵を受けられない所得税非課税世帯にも、給付という形で支援が届きます。
例えば、年収300万円の人に30万円の所得控除があっても、税率が10%なら実際の減税額は3万円です。
しかし年収100万円で所得税非課税の人は、控除があっても恩恵はゼロです。つまり、困窮度が高い人ほど支援を受けられないという「逆進性」があります。
しかし、この制度では控除しきれない分を現金給付するため、困窮している層も支援できます。
3.2 「働かない方が得」という状況を避けられる
生活保護のように「働くと給付が減る」仕組みと異なり、給付付き税額控除は働いて収入が増えても急激に給付が減らない設計が可能です。低所得でも働けば働くほど手取りが確実に増えるため、就労意欲を損ないません。
これにより「働かない方が得」という状況を避け、勤労者の就労意欲を損なわずに支援できます。
4. まとめにかえて
給付付き税額控除は、税額控除と現金給付を組み合わせた制度で、2024〜2025年の定額減税と似た仕組みです。
所得に関わらず一定の支援を受けられるため、広く公平性のある制度といえるでしょう。
今後議論が深まれば、新しいニュースが出てくるはずです。物価高で家計が苦しい家計にとって、多少なりとも役立つ制度であるため、最新の情報を確認しましょう。
参考資料
柴田 充輝