上海株を除いて小動きだった1週間

先週(2015年11月23日‐11月27日)の世界の主要株式市場は、上海市場を始めとした一部の新興国市場を除いて小動きの展開でした。

上海市場が週末に急落し、1週間で▲5%下落しました。10月の工業部門企業利益が前年同月比で減少したこと、現地の証券会社に対する当局の調査が入ったこと、IPOが再開されることで需給懸念が出ていることなどが背景として考えられます。

しかし、先進国を中心に株式市場全体は横ばい、ないし小幅上昇しています。欧州中央銀行(ECB)の利下げが近いと期待されていること、欧州の景況感はそれほど悪化していないことなどがその背景でしょう。米国の景気指標はおおむね好調で、ドルはじわりとユーロに対して強くなりました。

日本の景気指標は引き続きまだら模様と言えそうです。しかし、10月の乗用車の国内生産が16カ月ぶりに前年同月比でプラスに転じました(大手8社が公表した速報値の合計)。自動車産業の裾野の広さを考えると明るい話題といえます。一方で、先週は銀行、証券など金融株の下げが目に付きました。少し気がかりです。

先週の主要市場の動き
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注:現地通貨ベース、為替は円安が+、円高が‐表示

年初来の主要市場の動き
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注:現地通貨ベース、為替は円安が+、円高が‐表示

欧州の金融政策、米国の雇用と年末商戦を織り込むイベントの多い1週間へ

今週(11月30日‐12月4日)は、材料の多い1週間です。

日本の10月鉱工業生産、中国の11月製造業購買担当者景気指数、米国のISM製造業景況指数、イエレン米連邦準備理事会議長の講演および議会証言、米国の地区連銀経済報告、欧州中央銀行理事会、米国の11月の雇用統計と材料が目白押しになります。またクリスマス商戦の行方も注目されそうです。

12月に入ると米欧の投資家は一気にクリスマス気分が高まります。米欧の金融政策の来年の方向性を見極めて、クリスマスラリーにすんなり入れるか、その行方を決める1週間になりそうです。

【2015年11月29日 投信1編集部】

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LIMO編集部