4. 調査結果から見える入居者の悩みを解決する

もちろん単にペット可の物件にするだけで、確実に入居者が集まるとは言い切れません。

そこで今回の調査にある、「犬や猫との暮らしで困ることは何ですか」という質問の回答に注目してみましょう。

ここに見られる悩みを解決できる物件にすれば、さらに入居者を集めやすくなるはずです。

4.1 部屋の汚れ対策を行う

犬猫との暮らしで困ることの第4位に「部屋が汚れる」という悩みがあります。

ペットがツメで壁や床を傷つけてしまったり、オシッコでシミを作ってしまったりといった悩みと考えられます。

物件の床材を傷がつきにくい耐摩耗性の高いものや、オシッコが染み込みにくい撥水性のある素材に変えると、傷やシミを防ぎやすくなります。

ただし、既存の床を張り替える方法では費用が高額になるため、既存の床の上にリフォーム用の床材を貼る方法が、費用を抑えられるという観点でおすすめです。

4.2 温度調整をしやすくする

犬猫との暮らしで困ることの第6位には「室内温度の調整」が入りました。

ペットのなかには体温調整が苦手な動物もいるため、特に夏の部屋の中を快適な温度にしたいと考える飼い主は多いかもしれません。

そこで既存のエアコンが古いようなら、新しいものに買い替えて最新の冷暖房設備があることをPRしましょう。

また、日中もエアコンを動かすとなると心配になるのが光熱費です。

実は新しいエアコンは省エネ化が進んでおり、10年前のものと比べ約17%も省エネ効果があるというデータもあります。

新しいエアコンなら光熱費を抑えながら、ペットに快適に過ごしてもらえるようになります。

4.3 光熱費を抑える内窓の導入

さらに光熱費を抑えるなら、既存の窓の内側にもう一つ窓を設ける「内窓」を設置するのもおすすめです。

外から暑さ寒さが侵入し、冷暖房した快適な温度が逃げてしまうのは大部分が窓からです。

そこで窓を2重にすることで熱の出入りが減り、エアコンの効きが良くなるのです。

もともとついている窓はマンションの共用部分であるため、交換が難しいケースがほとんどです。しかし内窓なら室内の専有部分の工事になるため、比較的簡単に工事できます。費用も窓交換より抑えられるため、おすすめの光熱費対策です。

4.4 鳴き声や足音への対策

犬猫との暮らしで困ることの第10位には「鳴き声・足音」がランクインしています。

鳴き声や足音は他の入居者や近所の住人とトラブルになりやすく、賃貸でペットを飼う人の大きな悩みの種です。

そこで物件の内装を、防音効果のあるものに替える対策を検討してみましょう。

防音性のある壁紙を内装に使うと隣への音漏れが減ります。

また、汚れ対策で紹介した、既存の床の上にリフォーム用フローリングを貼る方法も防音効果が期待できます。

先ほど説明した内窓も、外への音漏れを防げるため、まとめて工事をしておけば入居者へのアピールになるでしょう。