「ウーバーイーツ」組合が求めた労災保険の特例加入とは?
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労働組合「ウーバーイーツユニオン」は5月24日会見を開き、配達員が怪我をした場合など、企業負担による通常の労災保険が配達員にも適用されるよう、検討を求めました。
これは、保険料を配達員が負担する「特別加入制度」の導入を厚生労働省が検討していることに、組合側が異議を表明したことになります。
多くの人にとって労災保険は身近なもので、本来労働者を守ってくれる制度ですが、この議論は多様化した労働環境の問題を浮き彫りにしたものといえるでしょう。
そこで今回は労災保険とはどういう制度なのか、会社員と個人事業主でどのように違うのかについて、チェックしていきます。
労災保険は病気やケガの備え
労災保険とは、業務中や通勤途中でケガをしたり、病気、死亡などの事由が発生した場合、労働者やその遺族のために保険給付を行う制度です。
また、病気やケガをした労働者の社会復帰の支援、遺族の生活を支援する労働福祉事業も実施されています。
このように、労災保険は万が一のときのセーフティネットとなっていることがわかりますが、では労災保険に加入する際、条件はあるのでしょうか。
会社員は加入義務がある
労災保険は、パート・アルバイトを含めた労働者を1日1人でも雇っていれば、その事業主は必ず加入手続きをしなければなりません。※一部の事業を除く
つまり、会社員の場合は労災保険に加入することが義務付けられていると言えます。
また、保険料は全額「事業主」が負担することになります。労働者ではないことがポイントです。
個人事業主は「原則」加入できない
労災保険はあくまで、雇われている人(労働者)の勤務中の事故、失業などで労働が難しくなったとき、生活を補償する保険制度です。
よって、個人事業主は、基本的に労災保険に加入できません。
個人事業主は読んで字のごとく、自身が事業主であるため、万が一のときは自分で対応することが求められているのです。
「それはあまりにも個人事業主に冷たくないか」と感じられた人もいるでしょう。
実は、個人事業主でも労災保険に加入できる「特例加入制度」が存在します。
執筆者
株式会社ナビゲータープラットフォーム 編集長室
編集者/コンビニ担当
中央大学法学部出身。在学中にThe University of Sheffieldに短期留学経験を積む。大学卒業後、東証プライム大手IT企業を経て、2013年からは厚生労働省の記者クラブにて、医療保険制度や介護・高齢者福祉などの社会保障を取り扱う専門紙の記者として約3年勤務。その後、GMOインターネットグループでは家電全般やハウツー情報などのwebメディアでの記事編集に携わり、月に数十本の記事を発信。SONYやパナソニックなど大手メーカーのカメラやスマートフォン、AV機器など最新家電などを中心に、ニュースやレビュー記事を発信した。
現在、金融と社会保障の分野では、厚生労働省管轄の公的年金(厚生年金保険と国民年金)、年金制度の仕組み、社会保障、貯蓄、マイナンバー制度に関する情報を中心に記事を執筆。政策の変遷、年金受給資格の詳細、最新の貯蓄トレンドなどに焦点を当て、具体的かつ実用的な情報を提供することを念頭に執筆。
ただの情報提供にとどまらず、読者がその知識を日々の生活に活かし、より良い将来設計を行えるようサポートすることを目指している。
読者にとって日常生活や将来設計に役立ち、お金について賢明な判断を下せるよう支援している。政府の施策から個人の資金管理に至るまでの広範なトピックをカバーすることで、経済的なリテラシーの向上とともに、個人が直面する様々な金融問題への具体的な解決策を提供することを意識している。
また、小売り分野では特に日本のコンビニエンスストア市場に焦点を当てた内容を執筆。セブン-イレブンやローソン、ファミリーマート、ミニストップ、ローソンストア100などのコンビニチェーンに焦点を当て、定期的に紹介。主要なコンビニチェーンに関する分析の新商品のレビュー、限定キャンペーンの情報、これらの店舗から登場する商品や、消費者の関心を引く限定キャンペーンについての記事を執筆している。
消費者がコンビニで何を買うべきか、どのキャンペーンに注目するかなど、実用的な情報の提供に努めている。
また読者に対し、タイムリーかつ正確な情報を届けることを心掛け、小売市場の変動に迅速に対応することで、読者が常に最新の情報を手に入れられることを目指す。日々の買い物に役立つだけでなく、消費者が市場のトレンドを把握し、賢い消費選択をするための知識を深めるサポートとなる記事を意識している。(2024年5月7日更新)