投資を避ける理由の一つとして長年言われてきた「余裕資金がないから」。しかしNISA制度やコロナ禍を機に、投資をはじめる若者が増えています。
日本証券業協会「NISA口座開設・利用状況調査結果 (2022年3月31日現在)について」によれば、20~30歳代のNISA口座数は329万口座と全年代で最も多く、67.5%を占めます。
年代別のNISA口座数の推移をみると、2019年末には全年代でトップとなり、それ以降、若い世代でNISA口座の利用が急増しています。
30歳代は年代も若く収入もまだ上がらず、生活に余裕があるとは言えない世帯が多いでしょう。実際に今の30歳代はどれくらい貯蓄を保有しているのか、夫婦と独身世帯に分けてみていきます。
30歳代「平均貯蓄額」は二人以上世帯でいくらか【円グラフ】
まずは金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和3年)」から、30歳代・二人以上世帯の貯蓄額を確認しましょう。
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出所:金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和3年)」をもとにLIMO編集部作成
30歳代・二人以上世帯「金融資産保有額」(金融資産を保有していない世帯を含む)
- 平均値:752万円
- 中央値:238万円
30歳代・夫婦世帯の貯蓄は平均で752万円ですが、平均は一部の富裕層に引っ張られます。
より実態に近い中央値を見ると238万円。内訳をみると、最も多いのは「貯蓄ゼロ」で22.7%、次に「100万円未満」で11.5%と、3世帯に1世帯が貯蓄100万円未満です。
30歳代ではお子さんが小さく、女性が働くのをセーブし、なかなか貯蓄ができないというご家庭もあるでしょう。
「30歳代の平均貯蓄額」は単身世帯でいくらか【円グラフ】
では、単身世帯の貯蓄額はいくらでしょうか。
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出所:金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和3年)」をもとにLIMO編集部作成
30歳代・単身世帯「金融資産保有額」(金融資産を保有していない世帯を含む)
- 平均:606万円
- 中央値:56万円
平均は606万円と夫婦世帯とあまり差がありませんが、中央値は56万円で180万円以上も下がります。
分布を見ると「貯蓄ゼロ」が36.3%、「100万円未満」が17.9%と、貯蓄100万円未満が半分以上を占めます。一方で貯蓄1000万円以上の方も約1割おり、二極化しているようすがわかります。
余裕資金がなくても投資はできる?
30歳代の貯蓄をみると、貯蓄ゼロの方も一定数います。貯蓄の必要性を感じなかったり、ご家庭の状況によってはなかなか貯蓄できない場合もあるでしょう。
現代は住宅ローンや教育費に合わせて、自分で老後資金を準備する時代です。2022年度の年金受給額は0.4%減額となっており、30歳代の方が将来いくら受け取れるかわかりません。
2019年には「老後2000万円問題」が話題になりましたが、老後資金は大金となるからこそ、若いうちからコツコツと貯めるのが基本です。
まずは先取り貯金などを利用して、給料日に貯金した残りのお金で生活し、3〜6カ月分の生活費を貯めておきたいですね。
万が一に備えた貯蓄ができたら、先取り貯金の一部をつみたてNISAなどを利用して運用するといいでしょう。
つみたてNISAは自分で投資信託などから商品を選び、毎月一定額を積み立てていくもの。年40万円まで、最長20年間、運用益に約2割かかる税金が非課税になります。
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出所:金融庁「つみたてNISA」
月100円からはじめられ、途中で引き出すこともできるため、若いころからはじめる投資に向いています。まずは少額から実際にはじめてみると、投資の経験を積むことができたり、経済情報を見るようになったりと、運用だけではないメリットも得られるでしょう。
まずは情報収集からはじめてみてはいかがでしょうか。
参考資料
- 金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和3年)」各種分類別データ
- 日本証券業協会「NISA口座開設・利用状況調査結果 (2022年3月31日現在)について」
- 金融庁「つみたてNISA」
宮野 茉莉子
