3. 長寿化する日本、「11万時間超」のセカンドライフにどう備える?
令和6年簡易生命表によると、65歳の平均余命は男性が19.47年、女性が24.38年です。長寿化する日本では、長いセカンドライフを送ることになります。
仮に65歳の定年後22年間、食事や就寝時間を除いた1日14時間を自由時間とすると、その合計は11万2420時間にも上ります。これは、22歳から65歳までの現役時代の労働時間(1日8時間、年間250日、43年で8万6000時間と仮定)を大きく上回る時間です。
長くなったセカンドライフを豊かに過ごすためには、現役時代からの計画的な貯蓄や資産形成、さらには公的年金制度への理解が大切となってくるでしょう。特に、公的年金だけでは生活費が不足する可能性を認識し、iDeCo(個人型確定拠出年金)やNISAといった税制優遇のある制度を積極的に活用することが、経済的な安心につながります。
4. 長寿化する日本、豊かな暮らしを叶えるため「今からできる備え」
ここまで厚生労働省の最新データをもとに、年代別の年金平均月額について詳しく見てきました。
国民年金の平均月額が5万円台であるのに対し、厚生年金(国民年金含む)は14万~16万円台と、その受給水準に大きな開きがあることが分かります。今のうちから自助努力による老後資金の準備について真剣に考える必要があります。
具体的には、税制優遇が大きい小規模企業共済やiDeCo(個人型確定拠出年金)などを活用する方法があります。長寿化によって11万時間以上ものセカンドライフが待っている時代です。これらの税制面のメリットをうまく活用することで、預貯金よりも効率よく老後の資産形成ができる可能性があります。この機会に、まずはご自身がどのような備えをすべきか、詳しく調べてみてはいかがでしょうか。
参考資料
- 厚生労働省「令和7年度の年金額改定についてお知らせします」
- 厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 厚生労働省「年金制度改正法が成立しました」
- 厚生労働省「令和6年 簡易生命表」
筒井 亮鳳
