5.2 「国民年金(老齢基礎年金)」平均年金月額&受給額分布

国民年金(老齢基礎年金)についても見ていきましょう。

「国民年金(老齢基礎年金)」平均年金月額

  • 〈全体〉平均年金月額:5万7584円
  • 〈男性〉平均年金月額:5万9965円
  • 〈女性〉平均年金月額:5万5777円

「国民年金(老齢基礎年金)」1万円刻みの受給額分布

  • 1万円未満:5万8811人
  • 1万円以上~2万円未満:24万5852人
  • 2万円以上~3万円未満:78万8047人
  • 3万円以上~4万円未満:236万5373人
  • 4万円以上~5万円未満:431万5062人
  • 5万円以上~6万円未満:743万2768人
  • 6万円以上~7万円未満:1597万6775人
  • 7万円以上~:227万3098人

国民年金の場合、平均年金月額は全体・男女とも5万円台。ボリュームゾーンは「6万円以上~7万円未満」です。

6. 令和シニアにどんな影響?「年金制度の見直し、iDeCo加入年齢の上限引き上げとは?」

2025年6月13日、年金制度改正法が成立しました。

今回の改正には、いわゆる「年収106万円の壁」撤廃に向けた社会保険の加入対象の拡大、在職老齢年金の支給停止調整額の引き上げ、遺族年金の見直しなど、公的年金制度の大きな改正内容が盛り込まれています。

同時に、私的年金である「iDeCo(イデコ:個人型確定拠出年金)」や「企業型DC」に関しても、いくつか改正が加わることになりました。

6.1 iDeCo加入年齢の上限引き上げ(3年以内に実施)

働き方に関係なく「70歳未満」に引き上げる

  • 現在のiDeCo加入条件
    • 国民年金被保険者
    • 老齢基礎年金やiDeCoの老齢給付を受給していない人
  • 加入可能年齢の引き上げ後
    • iDeCoを活用した老後の資産形成を継続しようとする人
    • 老齢基礎年金やiDeCoの老齢給付を受給していない人

6.2 企業型DCの拠出限度額の拡充(3年以内に実施)

企業型DCで、加入者本人が掛金を上乗せする「マッチング拠出」の上限額を撤廃。事業主掛金の額を超え、拠出限度額の枠を十分に活用できるようにする。

6.3 企業年金の運用の見える化(5年以内に実施)

企業年金の運営状況の情報を、厚生労働省がとりまとめて開示。他社との比較・分析が可能となる。

7. 令和シニアの年金事情を知り、今後の資金計画を考えるきっかけに

今回は、令和シニアの年金事情について見てきました。記事内では、厚生労働省年金局のデータをもとに、国民年金と厚生年金の平均年金月額を見てきました。年金額はあくまで平均値であるので、「自分もこのぐらい必ずもらえる」と思うのは危険です。

実際に年金を受け取る段階になって、「思っていたよりだいぶ年金額が少なくて生活ができない」ということも十分あり得ます。まずは、ねんきんネットやねんきん定期便などで自分の将来の年金見込額を確認しましょう。その上で、老後の生活にいくらぐらいお金が必要なのか具体的に計算をしましょう。

自分ひとりで計算するのが難しいという場合はFPやIFAなどお金のプロの力を借りるのもおすすめです。そして、具体的な目標老後資金額が決まったら、何歳までに貯めるかゴールを決めましょう。目標金額と準備期間が明確になれば、資金の準備方法を見つけやすくなります。

また、どうやって老後資金を準備するか決める時は、「自分のリスク許容度に合った方法か?」という点についても、しっかり意識しながら考えるよう気をつけましょう。

参考資料

鶴田 綾