ちゃんと働いて収入を得ているのに、なぜか一向に貯蓄が増えない……とお悩みの方もいるのではないでしょうか。「貯蓄がほとんどないなんて、我が家くらいなのかな」と思いがちですが、実はそうでもないんです。そこで今回は、気になる世間の貯蓄額の実態と、その打開策をお伝えします。
意外と多い? 貯蓄が少ない世帯
総務省が2018年5月に発表した「家計調査報告 貯蓄・負債編 平成29年(2017年)平均結果の概要(二人以上の世帯)」によると、2017年平均の1世帯当たり貯蓄現在高(平均値)は1812万円で、前年に比べ8万円、0.4%の減少でした。これは5年ぶりの減少ということです。
また、貯蓄現在高が「0」の世帯を除いた 世帯を貯蓄現在高の低い方から順番に並べたときに,ちょうど中央に位置する世帯の貯蓄現在高、すなわち中央値は1074万円、貯蓄現在高「0」の世帯を含めた中央値は1016万円となっています。
こう見ると、けっこう貯蓄現在高が多いと感じられるかもしれません。しかし一方で、貯蓄現在高が100万円未満の世帯は全体の10%ありました。これは同調査の階級別世帯分布(100万円ごと)の中でもっとも高い割合です。ちなみに、貯蓄には預貯金以外の有価証券や積立型の保険なども含まれます。
収入に釣り合った買い物を
貯蓄現在高100万円未満の世帯が10世帯に1世帯の割合であることが調査で示されていましたが、「貯蓄が少ない仲間がたくさんいる」と安心してはいけません。まずは普段の買い物を見直し、今の収入に適したものを購入しているかを振り返りましょう。
デパ地下で高い食材に手を伸ばしたり、たまたま見かけた服を勢いで手に入れたりはしていませんか? 貯蓄を増やすには、安いスーパーで食材を揃える、衝動買いを控えるなど、今の収入と釣り合ったものを買うことが大切です。無駄な支出を抑え、貯蓄に充てられるお金をしっかりと確保しておきましょう。
固定費にも着手する
節約できるのは、食費やお小遣いだけではありません。家賃・光熱費・通信費・保険などの固定費にも着手して、余分な支払いをカットしましょう。
特に、金額の大きい家賃は見直す価値のある項目です。よく「手取り月収の3割が目安」と言われますが、収入に対して高すぎる家賃を払っている場合は、家賃の安い家に引っ越すことも視野に入れましょう。
また、毎月の保険代も要チェックです。支払いに無理のある金額ではないか、同じ補償内容ものを複数契約していないかなど、いま一度確認しておきましょう。