6. 厚生年金と国民年金「シニア全体の平均月額」をグラフで見る
年齢別の平均額を見てきましたが、次に全体の平均年金額を確認してみましょう。
厚生年金と国民年金それぞれの平均月額に加えて、1万円ごとの受給者数の分布についても見ていきます。
6.1 「厚生年金」の平均年金月額
- 〈全体〉平均年金月額：14万6429円
- 〈男性〉平均年金月額：16万6606円
- 〈女性〉平均年金月額：10万7200円
※国民年金部分を含む
厚生年金の平均月額は全体で14万6429円、男女別に見ると男性が16万6606円、女性が10万7200円となっています。
6.2 「国民年金（老齢基礎年金）」の平均年金月額
〈全体〉平均年金月額：5万7584円
- 〈男性〉平均年金月額：5万9965円
- 〈女性〉平均年金月額：5万5777円
国民年金の平均月額は、全体・男女別いずれも5万円台にとどまっています。
7. 日本年金機構からの大切な案内を見落とさないように！
この記事では、10月の年金手取り額が増減する理由について解説しました。
年金は2カ月に1度支給され、金額は毎年度見直されます。また、老齢年金からは税金や社会保険料が差し引かれるため、年度の途中で手取り額が変わるケースもあります。こうした仕組みは、実際に年金を受け取り始めてから知る人も少なくありません。
大切なお知らせや通知は日本年金機構から郵送されますので、必ず内容を確認しておきましょう。
さらに、65歳以上で老齢基礎年金を受給しており、所得が一定額に満たない方は「年金生活者支援給付金」の対象となる場合があります。2025年度の基準額は月額5,450円で、納付期間などに応じて給付額が決まります。
2024年3月末時点での平均支給額は月約4,000円、年間でおよそ5万円弱。年金に上乗せされる、ありがたい支援です。対象となる方には、毎年9月に日本年金機構から案内と請求書が送付されますので、見逃さないようにしましょう。
老後の家計を守るためにも、年金や関連制度の仕組みを正しく理解し、届く通知をしっかり確認することが大切です。
参考資料
- 日本年金機構「公的年金制度の種類と加入する制度」
- 厚生労働省「令和7年度の年金額改定についてお知らせします」
- 日本年金機構「年金額改定通知書・年金振込通知書」
- 厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 日本年金機構「国民年金に加入するための手続き」
和田 直子
