秋風が心地よい季節になった10月。「食欲の秋」を迎えましたが、最近続く食品の値上がりに、ついついお財布の紐が固くなってしまう方も多いかもしれません。帝国データバンクの調査によると、2025年10月の飲食料品値上げは3024品目に達し、前年同月を上回る結果となりました。

特に焼酎やビールなどの酒類・飲料の値上げが目立ち、食卓に欠かせない加工食品や調味料の値上げも続いており、家計への打撃は深刻です。このような物価上昇が続く時代、年金収入だけでは生活が苦しい方々を支えるため、「年金生活者支援給付金」の重要性が増しています。

本記事では、所得などの一定基準に該当した方を支える「年金生活者支援給付金」のしくみと受給方法を解説します。

1. 年金生活者支援給付金「この制度、いつからはじまった?」

「年金生活者支援給付金」は2019年10月の消費増税を機にはじまった制度で、今月10月でちょうど6年が経過しました。基礎年金を受給中の人で、所得が一定要件を満たす場合、「年金生活者支援給付金」を受け取ることができます。

「年金生活者支援給付金」は、「老齢年金生活者支援給付金」「障害年金生活者支援給付金」「遺族年金生活者支援給付金」の3種類です。

1.1 老齢年金生活者支援給付金の支給要件《対象となるのはどんな人?》

老齢年金生活者支援給付金は、下記の支給要件をすべて満たす方が支給対象となります。

  • 65歳以上の老齢基礎年金の受給者
  • 同一世帯の全員が市町村民税非課税
  • 前年の公的年金等の収入金額(※1)とその他の所得との合計額が昭和31年4月2日以後に生まれの方は90万9000円以下、昭和31年4月1日以前に生まれの方は90万6700円以下(※2)である。

※1 障害年金・遺族年金等の非課税収入は除く
※2 昭和31年4月2日以後に生まれた方で809,000円を超え90万9000円以下である方、昭和31年4月1日以前に生まれた方で80万6700円を超え90万6700円以下である方には、「補足的老齢年金生活者支援給付金」が支給される

1.2 障害年金生活者支援給付金の支給要件《対象となるのはどんな人?》

障害年金生活者支援給付金は、下記の支給要件をすべて満たす方が支給対象となります。

  • 障害基礎年金の受給者
  • 前年の所得(※)が479万4000円以下(扶養親族等の数に応じて増額)

※ 障害年金等の非課税収入は除く

1.3 遺族年金生活者支援給付金の支給要件《対象となるのはどんな人?》

遺族年金生活者支援給付金は、下記の支給要件をすべて満たす方が支給対象となります。

  • 遺族基礎年金の受給者
  • 前年の所得(※)が479万4000円以下(扶養親族等の数に応じて増額)

※ 遺族年金等の非課税収入は除く

「年金生活者支援給付金」の支給要件には、いずれの場合も前年の所得額が関わっています。