秋も深まり、街には紅葉が色づき始める10月下旬。物価上昇や円安の影響が続く一方で、日本では「富裕層」と呼ばれる人々が増加していることをご存じでしょうか。

投資や資産運用の拡大、副業・起業ブームなど、個人の資産形成を取り巻く環境は大きく変化しています。

特に近年は、株式や不動産価格の上昇が一部の層の資産を押し上げ、格差拡大の現象も指摘されています。

では、そもそも「富裕層」とはどのような人々を指すのでしょうか?どのくらいの世帯が該当し、なぜ今その数が増えているのか。

本記事では、富裕層の定義や世帯数、そして日本における富裕層増加の背景を詳しく掘り下げていきます。

1. 富裕層ってなに?富裕層の定義と世帯数

「富裕層」と呼ばれる資産家は、具体的にはどのような世帯なのでしょうか。野村総合研究所のレポートをもとに「富裕層」の定義について見ていきましょう。

1.1 《富裕層の定義》

野村総合研究所のレポートでは、純金融資産保有額の規模に応じて、日本の全世帯を5つの階層に分類しています。

具体的には、純金融資産が1億円以上の世帯を「富裕層」、その中でも5億円以上の世帯を「超富裕層」と定義しています。

1.2 保有資産額1億円以上の「資産家」たちは、日本にどのくらいいるの?

「富裕層+超富裕層」の合計は、165万3000世帯。これは、日本の全世帯の約3%に相当します。

  • 超富裕層(5億円以上):11万8000世帯/135兆円
  • 富裕層(1億円以上5億円未満):153万5000世帯/334兆円
  • 準富裕層(5000万円以上1億円未満):403万9000世帯/333兆円
  • アッパーマス層(3000万円以上5000万円未満):576万5000世帯/282兆円
  • マス層(3000万円未満):4424万7000世帯/711兆円

なお、富裕層と超富裕層が保有する資産の合計は469兆円。全世帯の保有資産額(1795兆円)の約26%が、上位約3%のトップ層に集中しているのです。