【老後】シニアの「月の生活費」はいくら？70歳代・二人以上世帯の貯蓄額はどれくらい？「平均・中央値・保有額分布」を解説！【厚生年金・国民年金】みんなの年金はいくら？いまどきシニアの平均月額を見てみよう

4. 【家計収支】65歳以上・無職夫婦世帯の「月の生活費」はどれくらい？

総務省統計局「家計調査報告家計収支編 2024年(令和6年)平均結果の概要」から、「65歳以上の夫婦のみの無職世帯」の標準的な家計収支を見ていきます。

■うち社会保障給付（主に年金）：22万5182円

■うち消費支出：25万6521円

■うち非消費支出：3万356円

この世帯の毎月の収入は25万2818円で、その多くを公的年金などの社会保障給付が占めています。

一方、毎月の支出は28万6877円。内訳を見てみると、食費や住居費、光熱費など日常的な生活にかかる消費支出が25万6521円、税金や社会保険料などの非消費支出が3万356円です。

その結果、月々の家計は3万4058円の赤字となっており、不足分は貯蓄を取り崩して補う必要があります。年間に換算すると、およそ40万円の取り崩しが必要になる計算です。

シニア世代は現役世代と比べて安定した収入を得る機会が限られるため、こうした慢性的な赤字は、長期的に貯蓄を大きく減らす要因となり得ます。

今ある貯蓄額をふまえ、家計収支の見直しや、健康状態に応じた短時間の就労など、できる範囲で対策していくことが、老後の暮らしを安定させるカギとなります。

シニアの貯蓄や年金、家計収支などのお金事情について見てきました。

今回紹介した年金月額や家計収支はあくまで平均のため、個人によって老後の過ごし方は異なります。

老後資金を貯めようと考えている方は、まず自分の年金受給見込み額を確認してみてはいかがでしょうか。「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」で見ることができます。老後を迎えるまでにいくらお金を貯めたいか、考えるきっかけにもなるかもしれません。

石川晴香