育休中の会社ですでに人間関係が構築されているならば、そのような場合でも仕事を頼めるかもしれませんが、新たに入社する会社の場合はそう気安くはいきません。子供が病気で苦しんでいる中、心を痛めながら病児保育に預けて出社をする方も多いようです。
父親である夫が協力的な場合は交代で子供の対応を行うこともできるでしょうが、男性の育児協力は企業の制度的にもまだまだ整っておらず、母親が対応することが多いのが実情です。
また、筆者は正社員として働いている時に1人目を妊娠したのですが、つわりがひどく、時には水しか飲んでいないのに1日中吐き続ける状態で、ピーク時は月の半分ほど出勤できない日が続きました。自分の代わりで残業が増えたことを聞き、周りに迷惑をかけてしまったという罪悪感がいつまでも消えず、2人目も望んでいたため、また迷惑をかけたくないと会社を辞めることにしました。
復帰後に子供の病気にプラスして、また妊娠した時に自分の体調で会社に迷惑をかけることを想像すると耐えきれなかったですし、働き続けるのは難しいと実感したからです。
単純に子供と過ごす時間が欲しい
育休の期間は会社によって異なりますが、国としては2年間育児休業給付金を支給してくれるので※、1年〜2年間育休が取れる会社もあるようです。また、生まれた子が想像以上に可愛く、泣く子を保育園に預けてまで働くことに罪悪感を感じる母親もいます。
経済的に厳しければ働かざるを得ない場合もあるでしょうが、夫の給与だけでなんとか生活ができる場合、「そこまでして仕事を続けなくても良いのでは?」と悩んでしまうようです。
人により価値観はさまざまですが、働く母も専業主婦もどちらも立派な仕事には変わりありません。自分の感情と働くことのメリットをよく考えて納得した上でのキャリア構築が大切だと筆者は考えます。
※2017年10月1日から、保育所等における保育の実施が行われないなどの理由により、子が1歳6か月に達する日後の期間に育児休業を取得する場合は、子が2歳に達する日前まで育児休業給付金の支給対象期間が延長された。
まとめ
保育園が無償化されたら、ある程度は働く女性も増えると思いますが、働きたい人が増えれば実際に働きたくても保育園が不足し入所できない可能性もあります。また、保育園だけの問題ではなく、母親自身の感情のコントロールも難しく、政府が望んでいる「1億人総活躍社会」のような増え方はしないのではないでしょうか。
いずれにしても女性が子育てをしながら働き続けることは難しく、無償化になるからといって簡単に解決することではありません。女性が働きやすい社会になるのはまだまだ時間がかかりそうですし、夫を始め周りの協力が重要になるでしょう。
勝目 麻希