2. ヒーローコスチュームでゴミ拾い活動を行う「スミレンジャーZ」さん

衝撃的な写真とともにポイ捨ての現状を訴えたのは、ヒーローコスチュームでゴミ拾い活動を行うスミレンジャーZさん。

スミレンジャーZさんは15年ほど前からさまざまなボランティア活動をしており、そのなかで渋谷ハロウィンのゴミ問題を知ったのだそう。仮装してゴミを拾ったのが最初の活動で、それから「自分のオリジナルヒーローを作ってこの問題を発信していこう」と思い立ち、活動をしているといいます。

今年の11月で活動をはじめて9年になるそうですが、「ひたすらゴミを拾い発信し、この惨状を嘆く声も沢山聞きますが、一向に変わらないどころか、ゴミ問題や治安は悪化していると感じてます」とスミレンジャーZさん。

話題となった投稿にも、「渋谷以外も酷いもんですよ…」「喫煙者が減ってもマナーの悪い喫煙者はなかなか減らない」といった嘆きの声が寄せられました。「(活動が)10年になる頃には何かその様な問題の解決の糸口を見つけたい」と話すスミレンジャーZさん。

ゴミ拾い活動をしている中でうれしいことについて伺うと、「やはり『ヒーローだ!』と言ってもらえることですね。私自身が鬱病や発達障害を持つ精神障害者なこともあり、『普通のこと』で輝くことで地道に努力する人や、私と同じ様な悩みを抱える人を元気づけたいと思ってるので、普通を地道に頑張る私をヒーローだと思ってくれる人がいることはうれしいです」と話してくれました。

また、悲しいことについては、「約9年の活動で『社会貢献を表向きして裏では自分の利益を優先』する人が多い実態を肌で感じてしまったことです。私も社会問題を解決したく、色々な企業や政治家と関わった時期もありました。しかし、その頃は特に『SDGsブーム』の影響もあり、『表向きは社会貢献に繋げてブランドのPRが実態』『ボランティアに仕事させて利益は運営が総取り』みたいな所を実際に見てきました。一時期は心が折れるくらい追い込まれてしまったので、今は基本的に個人的な活動に集中してます」とも話してくれました。

投稿には、「素晴らしい活動」「掃除本当にありがとうございます」「これはガチのヒーロー」といったスミレンジャーZさんへの賞賛と感謝の声も続々と寄せられています。

3. 渋谷区は全面路上禁煙エリアで違反すると2000円の過料

話題となった投稿に関連して、ここからは渋谷区のごみ問題への取り組みを紹介します。

渋谷区では2019年に施行された「きれいなまち渋谷をみんなでつくる条例」に基づき、区内の屋外公共空間での喫煙は全面禁止。違反すると過料2000円が科されます。

また、ごみ収集やリサイクル推進、緑化推進などを行う「環境費」として、年間60億円を超える予算が投じられています(出典:渋谷区「6年度一般会計歳出予算額」)。

それでも排水溝には吸い殻が山のように捨てられ、スミレンジャーZさんなどボランティアの力でようやく回収されているのが現状なのです。

いかがだったでしょうか。今回は、Xで話題になっている「渋谷区の吸い殻ポイ捨て問題」を紹介しました。

参考資料

小野田 裕太