暦は9月に入り、昼間はまだ暑さが残るものの朝晩は少しずつ涼しくなり、秋の気配を感じるようになりました。実りの秋、食欲の秋といわれるように、美味しい食べ物が多くなり、外出や旅行に出かける機会も増えるかもしれません。
しかし、物価高は依然として家計に重くのしかかっています。特に年金生活を送るシニア層にとって、食料品や日用品の値上げは生活を圧迫する大きな課題です。
公的年金は生活を支える重要な柱ですが、それだけでは十分でないケースも少なくありません。そんな中で、年金にプラスして受け取れる公的な給付金があることをご存じでしょうか。
この給付金は、一定の要件を満たすことで年金に上乗せして支給され、家計の助けとなります。今回は、意外と知られていないけれど、年金生活を支える大切な制度「年金生活者支援給付金」について、その仕組みや対象となる人、受け取れる金額、申請方法まで詳しく解説していきます。
1. 年金生活者支援給付金とは
厚生労働省の「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、公的年金の平均月額は国民年金(老齢基礎年金)で5万円台、厚生年金(国民年金部分も含む)で14万円台です。
ただしグラフのように、厚生年金を月額25万円以上受け取っている人もいれば、国民年金・厚生年金ともに月額2万円未満の低年金となる人まで、幅広い受給額帯に分布しています。
2. 年金生活者支援給付金は3種類
「年金生活者支援給付金」は、年金収入やその他の所得額が一定基準額以下の年金生活者を支援する目的で、2カ月に一度、年金に上乗せして支給される給付金です。
2019年に始まった比較的新しい制度なので、聞きなれない人もいるかもしれません。
受給中の年金に合わせて、以下の3種類の給付金が設定されています。
- 老齢年金生活者支援給付金(補足的老齢年金生活者支援給付金)
- 障害年金生活者支援給付金
- 遺族年金生活者支援給付金