2. 積乱雲がこれ以上上昇できずに横に広がった「金床雲」
この幻想的な雲の正体は、「金床雲(かなとこぐも)」という積乱雲の一種です。平らに広がった積乱雲の形が、金属加工に用いる金床のようにみえることから金床雲と呼ばれています。
積乱雲がまるで空に天井があるかのように平らに広がるのは、雲が対流圏界面に達することが理由。
雲は対流圏界を越えて発達することはできず、伸びた積乱雲が対流圏の上部に達すると、それ以上上昇できずに横に広がるのです。
この金床雲の下では非常に激しい気象現象が観測され、激しい雨のほか、落雷や突風などに注意が必要です。離れて眺めると神秘的ですが、非常に危険な雲なのです。そんな「金床雲」の様子が投稿されると、ポストにはさまざまなコメントが寄せられる大反響となりました。
投稿には「すごい!こんなのにリアルで遭遇なんて」「こりゃ見事!!」「リアルなの????」「下は大嵐だね」「神々しいくらいですね~」といった驚きのコメントが続出しています。
また、「ラピュタだ〜〜」「天空の城があるのか」など、雲の形からジブリアニメ「天空の城ラピュタ」を思い出した人からのコメントも寄せられました。神秘的に発達した積乱雲の姿は、投稿を通じて多くの人の心をつかんだようですね。
仕事帰り。見事な金床雲(積乱雲)を発見。竜の巣だぁ〜( ´∀`) pic.twitter.com/o8oEVhTh88
— かんむり座T星を見守る人 (元シリウスBチャレンジ) (@siriusb_wd) July 21, 2025
3. 気象庁では気象予測精度向上などに多くの予算を計上
不思議な形の積乱雲が話題となったことに関連し、ここからは「気象庁関係予算」を紹介します。
気象庁では近年多発する線状降水帯の予測精度向上や気候変動への対応に多くの予算を計上しています。
気象庁が公表している「令和6年度気象庁関係予算決定概要」によると、2024年度の予算総額は549億3100万円。
そこから人件費を除いた207億円400万円の予算のうち、次期静止気象衛星の整備に7億3200万円、線状降水帯・台風等の予測精度向上等に向けた取組の強化に4500万円の予算が充てられています。
いかがでしょうか。今回は、Xで話題になっている「不思議な形の積乱雲」を紹介しました。
参考資料
小野田 裕太