この記事の読みどころ

  • 中国ショックにもかかわらず、個人投資家は日本株に対して強気のスタンスです。
  • 海外のREIT(リート)ファンドは引き続き人気があります。
  • 業績成長+配当が期待できるグローバル・ヘルスケアファンドも人気です。

過去1か月の買付金額ランキング

  1. 楽天日本株トリプル・ブル
  2. 日本株アルファ・カルテット(毎月分配型)
  3. ニッセイ日経225インデックスファンド
  4. ワールド・リート・オープン(毎月決算型)
  5. フィデリティ・USリート・ファンドB(為替ヘッジなし)
  6. 楽天USリート・トリプルエンジン(レアル)毎月分配型
  7. ラサール・グローバルREITファンド(毎月分配型)
  8. グローバル・ヘルスケア&バイオ・ファンド
  9. 損保ジャパン・グローバルREITファンド(毎月分配型)
  10. 日経225ノーロードオープン

出所:楽天証券での筆者のスクリーニングによる

今回は、楽天証券における2015年8月の投資信託買付金額ランキングを見ていきます。8月は、アベノミクス始動以降では2013年「5.23ショック」と並ぶ「第2次中国ショック」で、株価が大きく下落することになりました。

個人投資家は相変わらず日本株に対して強気

こうした株式市場環境の中、楽天証券での過去1か月の買付金額上位を見ると、第1位が「楽天日本株トリプル・ブル」、第3位に「ニッセイ日経225インデックスファンド」、第10位にDIAM「日経225ノーロードオープン」が入るなど、中国ショックも何のそので、個人投資家は相変わらず日本株に対して強気のスタンスを示しています。

REITは引き続き人気

次いで、これも短期的な動向というよりトレンドになっているとも言えますが、海外のREIT(リート)ファンドは引き続き人気があります。第4位の「ワールド・リート・オープン(毎月決算型)」、第5位の「フィデリティ・USリート・ファンドB(為替ヘッジなし)」、第6位の「楽天USリート・トリプルエンジン(レアル)毎月分配型」、第7位の「ラサール・グローバルREITファンド(毎月分配型)」、第9位の「損保ジャパン・グローバルREITファンド(毎月分配型)」というように、上位10本のうち5本がREITファンドです。

これらのREITファンドの人気が高い理由は、毎月決算や毎月分配といったキーワードが並んでいることにあるようです。個人投資家も世代や運用資産規模を含めて様々です。今から10年後の大きなリターンよりも毎月のキャッシュフローが大事という方がいてもおかしくありません。その点、REITファンドは収益の源泉が不動産テナントのフィーや家賃等であるため、原理的には、毎月決算をして配当を検討することも可能です。ただし、無理をした分配金を出していないかを確認するために、ファンドのパフォーマンスは基準価額と配当を足し合わせた実績で評価したいものです。

業績成長+配当が期待できるグローバル・ヘルスケアファンド

最後に特筆すべきは、第8位の三菱UFJ国際「グローバル・ヘルスケア&バイオ・ファンド」でしょうか。ヘルスケア産業は世界でも成長産業であり、かつ規制業種のため参入障壁が高く、キャッシュフローが潤沢な企業も多いのが特徴です。その結果、企業からの配当も期待できるセクターです。残念ながら、日本企業でグローバルのヘルスケアセクターで競争力のある企業は少ないので、海外のヘルスケア企業が魅力的な投資対象となるのでしょう。

2015年8月の人気投資信託動向まとめ

このように、個人投資家は引き続き日本株には強気ですが、毎月の配当を重視する傾向も強くなっているようです。そして、海外企業の株式に投資をするにあたっては、配当がありファンドの分配金原資が蓄積される可能性のあるヘルスケアセクターへの嗜好があることが見えてきます。

LIMO編集部