2. 「世帯年収700万円台」の平均貯蓄額はいくら?
総務省統計局「家計調査報告 貯蓄・負債編 二人以上の世帯 詳細結果 年次2024年」によると、二人以上・勤労世帯の平均貯蓄額は、年収700〜750万円の世帯で「1224万円」、年収750〜800万円の世帯で「1439万円」となりました。
年収700万円台の世帯では、「世帯主の配偶者のうち女性の有業率」が6割を超えており、共働き世帯が多い傾向にあることがうかがえます。
また、この有業率は年収が上がるほど高くなる傾向があり、前述したように世帯年収の高さには共働きの有無が大きく関係していると考えられます。
次章では、総務省統計局の調査結果をもとに、年収700万円台世帯の貯蓄額やその内訳について見ていきます。
2.1 世帯年収700万円台の「貯蓄額とその内訳」は?
総務省統計局「家計調査報告 貯蓄・負債編 二人以上の世帯 詳細結果 年次2024年」によると、世帯年収700万円台の貯蓄額とその内訳は下記のとおりです。
貯蓄の内訳をみると、預貯金が大半を占めており、投資に充てられている割合は比較的低い状況です。
これは、年収700万円台の世帯の8割以上が持ち家を所有しているため、住宅ローン返済に備えて預貯金を積み立てていることが背景にあると考えられます。
また、投資のリスクを避け、確実に資産を増やしたいという意識を持つ世帯も多いのかもしれません。
次章では、世帯年収700万円台の「負債額」と「純資産額」についても確認しておきましょう。
2.2 世帯年収700万円台の「負債額・純資産額」はいくら?
前章で紹介した貯蓄額は、あくまで「総額」であり、純粋に使える資金ではありません。
純貯蓄額とは、老後資金や教育費などに充てられる実質的な貯蓄のことで、総貯蓄額から住宅ローンや土地の負債額を差し引いた金額を指します。
総務省統計局のデータによると、年収700万円台の二人以上勤労世帯の「平均負債額」および「純貯蓄額」は以下のとおりです。
平均貯蓄額が1000万円を超えているため、「老後資金や教育費を十分に準備できている」と感じられますが、実際には負債額もほぼ同額の1000万円近くに達しており、純粋な貯蓄額は200万円程度にとどまっています。
近年の低金利環境では、預貯金だけでは十分な資産形成が難しいのが現実です。
長期的な資産形成を目指すうえで、投資信託や株式などを活用した分散投資の検討が重要になってくるでしょう。
3. 資産運用を活用して「老後資金や教育費」の準備を進めよう
本記事では、子育て世帯における平均年収や貯蓄額の実態について紹介していきました。
世帯年収700万円台の世帯は、貯蓄が十分にあるように見えますが、実際には負債も多く、純貯蓄額は平均で約200万円にとどまっています。
老後資金や教育費の準備は、早めに始めるほど有利です。
焦って準備を始めるよりも、若いうちから住宅ローンの返済と並行して計画的に資産形成を進めることで、より効率的に資産を増やすことが可能です。
貯蓄の内訳や収入に対する貯蓄率を見直しつつ、資産運用を上手に取り入れて賢く資産を築いていきましょう。
参考資料
和田 直子