4. 「20年で約1400万円も差が出る?」男女の年金格差「寿退社」も影響あり?

ここまで、年齢ごとの平均年金月額を確認してきました。

続いては、男女別に年金月額ごとの人数と、全体の平均額を見てみましょう。

厚生年金の平均額(全年齢)

厚生年金の平均額(全年齢)

出所:厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO編集部作成

4.1 厚生年金の平均年金月額

  • 〈全体〉平均年金月額:14万6429円
  • 〈男性〉平均年金月額:16万6606円
  • 〈女性〉平均年金月額:10万7200円

※老齢基礎年金部分を含む

4.2 国民年金(老齢基礎年金)の平均年金月額

  • 〈全体〉平均年金月額:5万7584円
  • 〈男性〉平均年金月額:5万9965円
  • 〈女性〉平均年金月額:5万5777円

基礎年金は男女の平均年金月額に大きな差はありませんが、厚生年金は男女でひと月あたり約6万円、年間にすると約72万円もの差が生じています。受給が20年間続けば、トータルで1,400万円以上の差になる可能性もあり、見過ごせない違いといえるでしょう。

要因としては、加入期間や在職中の収入に男女間で大きな差があるからと考えられます。

一般的に、男性の方が女性よりも平均勤続年数が長かったり、男性の方が女性よりも平均収入が高かったりすることが多いため、受給額に影響を及ぼしているのでしょう。

また、結婚や出産を機に退職を選ぶ、いわゆる「寿退社」をする女性が少なくなかった時代背景もあり、継続して働くことが難しい状況だった人も多かった点は見過ごせません。

さらに、パート勤務など短時間労働では厚生年金の加入対象外だった期間もあり、その分、年金額が伸びにくいという実情もあります。