3. シニアの就業率は上昇傾向に。何歳まで働きたいと考えているのか?
2025年6月10日に内閣府が公表した「令和7年版高齢社会白書」によると、シニア世代の就業率は年々上昇しています。
65~69歳の就業率は、2014年の40.1%から、2024年には53.6%まで上昇しています。
人手不足の深刻化を背景に、シニア世代の雇用を拡大する企業が増えていることも、こうした傾向の一因といえるでしょう。
また、「何歳ごろまで収入を伴う仕事をしたいか」を尋ねた調査では、次のような結果が示されています。
- 65歳くらいまで:23.7%
- 70歳くらいまで:20.0%
- 75歳くらいまで:13.7%
- 80歳くらいまで:5.3%
- 働けるうちはいつまでも:22.4%
- 仕事をしたいとは思わない:11.3%
- 不明・無回答:3.6%
最も多かったのは「65歳くらいまで」とする回答ですが、次いで「働けるうちはいつまでも」と考える人も多くなっています。
特に、現在すでに収入を伴う仕事をしている人に限ると、「働けるうちはいつまでも」と答えた割合は33.5%にのぼり、シニア世代の高い就業意欲がうかがえます。
背景には、年金だけでは生活費をまかなうのが難しい世帯も多いことがあると考えられます。老後も収入源を確保し、生活の安定を図ろうとする方が少なくないのでしょう。
4. まとめにかえて
厚生年金で「月額15万円以上」を受け取っている人は全体の約半数にとどまり、多くのシニア世帯が貯蓄や就労によって生活を支えています。
貯蓄が4000万円以上ある世帯は20.0%と一部に限られ、年金だけでは十分な生活費を確保できないケースも少なくありません。
こうした背景から、シニア世代の就業率は年々上昇し、「働けるうちは働きたい」と考える人が増えています。
これから老後を迎える方も、自分の収入・貯蓄・働き方を総合的に見直し、将来に備えた資金計画を早めに立てておきましょう。
参考資料
加藤 聖人