3. 住宅ローンが残っていても生活保護を受けられる?

持家の住宅ローンが残っていても生活保護自体は受けられる可能性がありますが、基本的に受給は難しいでしょう。生活保護の扶助で住宅ローンの返済をすることは、生活保護の趣旨に反するためです。

生活保護の趣旨は、必要最低限度の生活を保障し自立を促すものです。本来生活費に充てるべきお金をローンの返済に充ててしまうと、返済が終わるまで自立した生活を実現できない可能性があります。

ローンの返済期間が残りわずかの場合やローン額が少ない場合は、住宅ローンが残っていても生活保護を受給できる場合があります。

ローンの実情は人によって異なるため、気になる場合は福祉事務所や自治体の福祉窓口に相談してみましょう。

次章では、生活保護の新規申請件数を確かめていきます。

4. 生活保護の新規申請件数をチェック

厚生労働省の「被保護者調査」(令和7年4月分概数)によれば、生活保護の新規申請件数は2万601件で、前年同月から0.9%、前月から1883件減少しています。(詳細以下画像)

最新:生活保護の被保護者調査結果(令和7年4月分概数)

最新:生活保護の被保護者調査結果(令和7年4月分概数)

出所:厚生労働省「生活保護の被保護者調査(令和7年4月分概数)の結果を公表します」

被保護実世帯数は164万3444世帯で前年同月から0.3%、被保護実人員数は199万418人で前年同月から1.0%の減少と、全体的に減少傾向となっているようです。

しかし、保護件数が減少に転じたのは4ヵ月ぶりです。

また、1ヵ月で2万件の保護申請があったことを考えると、生活に困窮している人はまだまだ多いと考えられるでしょう。生活保護が国民のセーフティネットとして果たす役割は、依然として大きいといえます。

5. まとめ

生活保護は持家があっても、資産価値が極端に低いとみなされたり、自身が居住していたりする場合は、例外的に保護が適用される可能性があります。

しかし、住宅ローンの残債が残っている場合は、保護を受給できない可能性が高いでしょう。

とはいえ、私たちには生活保護を受ける権利があります。生活が厳しくどうしようもないと感じたときは、ためらわずに福祉事務所や自治体の福祉窓口へ相談してみましょう。

参考資料

石上 ユウキ