2025年7月、金融庁が組織体制を見直し資産運用や金融教育を専門に担う「資産運用課」を新設されました。NISAの拡充や投資などの金融教育の推進が加速しています。こうした中、筆者がマネースクール講師をしていた際に多く聞かれたのが「FXって危険なの?」という声。たしかに投資にリスクはつきものですが、基本をしっかり理解すれば、家計や資産形成に役立つ選択肢にもなり得ます。今回は、初心者が安心してFXをはじめるために知っておきたい3つの基本を解説します。

1. 【基本のしくみ】「FXは2つの国の通貨を交換する取引のこと」

FXとは「Foreign Exchange(外国為替)」の略で、日本円と米ドルなど2つの国の通貨を交換(売買)する取引のことです。為替相場の値動きを利用して、利益を狙う投資手法として広く利用されています。一般社団法人金融先物取引業協会によると、FXを取り扱う業者にあたる店頭FX取扱会員数は現在46社あります。(2025年5月31日現在)大前提として、FXを始める際は、金融庁や金融先物取引業協会に登録された信頼できる業者を利用するようにしましょう。

ここから、FXをはじめる前に知っておきたい3つの基本について簡単に解説します。

2. ① 為替差益とは?円安・円高どちらでも利益の可能性

FXで得られる利益は2つあります。まず一つ目は「為替差益」(キャピタルゲイン)です。「為替差益とはいったい何か?」米ドル/日本円のペアで、2つのパターンでみてみましょう。

「為替差益」(キャピタルゲイン)のしくみ

「為替差益」(キャピタルゲイン)のしくみ

筆者作成

2.1 安いときに買って、高いときに売る(円安方向)

「1ドル=145円」のときに1万ドル買い、「1ドル=150円」のときに1万ドル売る。→為替差益5万円

2.2 高いときに売って、安いときに買い戻す(円高方向)

「1ドル=150円」のときに1万ドル売り、「1ドル=145円」のときに1万ドル買う。→為替差益5万円

予想していた為替相場の動きと反対に変動すれば「損失」になりますが、円安・円高のどちらにおいても利益を得られる可能性があるのはFXならではの魅力といえますね。