厚生労働省が公表した「2024(令和6)年 国民生活基礎調査の概況」によると、高齢者世帯の平均的な所得構成では、「公的年金・恩給」が収入全体の63.5%を占めており、次いで「稼働所得(仕事による収入)」が25.3%、「財産所得」が4.6%となっています。
ただし、これはあくまで全体の平均であり、「公的年金・恩給を受給している世帯」に絞ってみると、収入のすべてを年金に頼っている世帯は実に43.4%にものぼります。
全体で見ると働いて収入を得ている高齢者も一定数いますが、年金のみで生活している世帯が多いのも現実です。
シニア世代にとって、やはり年金は暮らしを支える大切な収入源といえます。
では、実際に2025年度の年金額はどの程度なのでしょうか。
この記事では、2025年度の最新の年金額を確認し、国民年金・厚生年金それぞれの平均月額について詳しく紹介していきます。
1. 【年金額】2025年度は前年度より1.9%の増額
2025年度の公的年金額は、3年連続引き上げられました。2025年度は前年度より1.9%の増額となっています。
1.1 2025年度の年金額の例
- 国民年金(老齢基礎年金(満額)):6万9308円(1人分※1)
- 厚生年金:23万2784円(夫婦2人分※2)
※1 昭和31年4月1日以前生まれの方の老齢基礎年金(満額1人分)は、月額6万9108円(対前年度比+1300円)です。
※2 男性の平均的な収入(平均標準報酬(賞与含む月額換算)45万5000円)で40年間就業した場合に受け取り始める年金(老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額))の給付水準です。
厚生年金は40年間「会社員として月額45万5000円(平均)を稼いだ夫」と「ずっと専業主婦もしくは自営業だった妻」の組み合わせをモデル世帯と想定。上記の年金額は、「夫の老齢厚生年金+夫婦2人分の老齢基礎年金」となります。
3年連続のプラス改定となった一方で、実は年金そのものは、実質目減りとなっているのです。