「夫が稼いできたお金で生活できるのだから、妻は家事全般をして当り前」「家族は助け合うもの。妻が仕事や育児で疲れているときは、夫が家事を手伝ってしかるべき」などなど、それはそれで納得できる意見ではあります。かといって、それがすべての家庭に当てはまるわけではない。
世の中には、「私は専業主婦だけど、家事は分担制にしてます」という家庭もあるでしょうし、「夫婦共働きで、生活費も完全折半だけど家事は妻である私が全てやっています」という家庭もあることでしょう。
それぞれの家庭でそれぞれの事情があるのですから、自分は夫に家事を手伝ってもらいたからといって「世の中の夫は、積極的に家事に参加するべき」と声高に叫ぶ必要もないし、「○○さんの旦那さんは、ゴミ出しと庭の手入れをやっているらしいわよ」なんて他の家庭を引き合いに出す必要もないでしょう。
また、夫が家事を手伝う、と申し出てきたら、本当はしてほしくないのに気を使って「ありがとう、助かる」なんて嘘をつくのも考えもの。「世の中には、家事をしない旦那さんがたくさんいるのに…こうやって夫の手伝いの申し出を断るなんて傲慢だ」という風に考えなくてもいいはずです。
要は、夫と妻、双方に「ストレスと不公平感」が蓄積されない方法をしっかりと話し合うことが大切なのではないかな、と思います。
「やって当たり前」も「やらなくて当たり前」もない
世の中には、夫に家事をやってほしい妻もいれば、夫に家事をやってほしくない妻もいる。今回は、あえて「夫に家事をやってほしくない」妻の言い分をご紹介しました。
とかく「夫とはこうあるべき」「妻とはこうあるべき」という意見に惑わされそうになりがちですが、そこはまず「自分はどうしたいか、どうしてほしいか」を考えることが大切。夫が家事を手伝いたい、と申し出てきても「やってほしくない」と思うのなら、理由を明確に伝えてNOと言ってもいいのではないか、と思うのです。
大中 千景