2.2 【加給年金】家族を扶養している人は要チェック
厚生年金保険の被保険者期間が20年以上ある方などが、65歳到達時点(または定額部分支給開始年齢に到達した時点)で、その方に生計を維持されている配偶者、または子がいる場合に加算される年金です。
加給年金額は下記のとおりです。
【加給年金額(令和7年4月から)】
配偶者:23万9300円
1人目・2人目の子:各23万9300円
3人目以降の子:各7万9800円
また、配偶者の加給年金額には、老齢厚生年金を受けている人の生年月日に応じて、3万5400円から17万6600円が特別加算されます。
たとえば、受給権者である夫の生年月日が昭和18年4月2日以後であれば、17万6600円が加算され、加給年金額は41万5900円になります。月で換算すると3万5000円弱を厚生年金に上乗せして受給することができます。
加給年金は、年下の配偶者が65歳に到達するまで受給できますが、受け取るためには届け出が必要です。加給年金を終了するときにも、届け出が必要となる場合があります。
2.3 高年齢雇用継続給付(高年齢雇用継続基本給付金、高年齢再就職給付金)
高年齢雇用継続給付とは、60歳以降に賃金が下がった方が、下がった割合に応じて給付が受けられる制度です。
「高年齢雇用継続基本給付金」と「高年齢再就職給付金」の2種類の給付金があり、基本手当を受給したかどうかによって、いずれかを受給できます。
【高年齢雇用継続基本給付金】
基本手当(再就職手当なども含む)を受け取っておらず、60歳時点の賃金と比較して、60歳以降の賃金が75%未満に減少している、雇用保険の被保険者期間が5年以上など、いくつかの条件を満たした方が対象となります。
【高年齢再就職給付金】
基本手当を受給したのち、60歳以後に再就職した方に支給される給付金です。高年齢雇用継続基本給付金と同様に、いくつかの要件を満たした方に支給されます。
高年齢雇用継続給付の注意点
- 高年齢再就職給付金と再就職手当は併給できない
同一の就職において、高年齢再就職給付金と再就職手当は併給できません。受け取れる給付金の額に違いが出る可能性があるので、どちらを選ぶかは慎重に選択する必要があります。
- 令和7年4月1日より支給率が変更
令和7年4月1日より支給率が変更されたため、この日以降に受給要件を満たす方は、新たに設定された支給率で支給額が計算されます。
たとえば令和7年3月31日以前に受給要件を満たす方は、賃金が60%低下すると支給率は15%ですが、令和7年4月1日以降に60歳になる方の支給率は10%に縮小されます。