日中はまだ暑さが残りますが、朝晩は冷え込み、秋の気配が深まってまいりました。
さて、公的年金は年に6回の支給がありますが、2025年も残すところ10月と12月の2回となりました。
日本の公的年金制度は、国民年金と厚生年金の2つで構成される「2階建て」構造と呼ばれています。
2025年度の年金額は、賃金や物価の動向を考慮し、前年度から1.9%引き上げられました。
3年連続のプラス改定となりましたが、物価高の影響もあり「実質的には目減り」している状況です。
なお、年金の受給額は、現役時代の働き方や年金の加入期間などによって異なります。
この記事では、次回の年金支給日である10月15日を前に、国民年金と厚生年金の平均受給額について解説します。
この機会に、ご自身の年金の状況を把握するヒントにしてみてはいかがでしょうか。
記事の後半では、年金から「税金や社会保険料が天引きされる人」についてご紹介します。
1. 【国民年金+厚生年金】日本の公的年金制度は2階建て
「年金制度は2階建て」などと言われます。これはベース部分となる「国民年金」と、上乗せ部分となる厚生年金から構成されるためです。
それぞれの年金制度の基本を整理しましょう。
1.1 1階部分:国民年金(基礎年金)
- 加入対象:原則として日本国内に住む20歳以上から60歳未満の全ての人
- 年金保険料:全員一律(※1)
- 老後の受給額:40年間納付すると65歳以降に満額(※2)を受給できる
※1 国民年金保険料の月額:2025年度 1万7510円
※2 国民年金(老齢基礎年金)の月額:2025年度 6万9308円
1.2 2階部分:厚生年金(被用者年金)
- 加入対象:会社員や公務員、一定要件を満たすパート・アルバイトの人が国民年金に上乗せして加入
- 年金保険料:報酬(賞与・給与)に応じて計算される(上限額あり※3)
- 老後の受給額:国民年金に上乗せして受給。厚生年金部分は年金加入期間や納付済保険料により個人差が出る。
※3 保険料額は標準報酬月額(上限65万円)、標準賞与額(上限150万円)に保険料率をかけて計算されます。
1.3 老後に受け取る年金タイプは2種類
現役時代は働き方や立場に応じて「国民年金のみに加入する人」「国民年金と厚生年金の両方に加入する人」に分かれます。
これに応じて、老後に受け取る年金も変わります。