「娘が私に対して腹を立てていることは、もちろん気がついてますよ。わが子なんだから、当たり前でしょう。でも娘の夫はすごく忙しい人なので、話を聞く限り家にほとんどいないようです。1カ月後にはひとりで乳児に向き合うと思うと、今のうちに教えておかなければ!という親心が勝ってしまうんですよね」
「私の時代は、今ほどネットとか普及していませんでしたからね。右も左もわからない育児をこなすには、周囲からの助言や情報がなによりも心強かったんです。その気持ちがあるから、いろいろ教えてるんですけどねぇ…『私の時代は』って言葉に、過敏に反応されてしまいます」
「初めての育児は不安だらけなのもよくわかるから『大丈夫だよ』って伝えたいとか、今のうちに少しでも休んでほしいとか思っているだけですよ。私たちだって久々の赤ちゃんに戸惑っているし、迎え入れるのに緊張もしているし、完璧を求めないでくれると嬉しいです」
かわいい孫の姿に、昔のわが子を見ているようで懐かしい気持ちになることもあるでしょう。気持ちが舞い上がって、少しやり過ぎてしまうこともあるようです。自分が苦労してきたからこそ、育児に奮闘するわが子を放っておけない気持ちもあるかもしれません。
感謝と言いたいことをバランスよく伝えて
相手が実母だからこそ感じる煩わしさもありますが、実の親子だからこそ多少ぶつかったとしてもなんとかなるのかもしれません。あなたが生まれたばかりのわが子を心配したり見守ったりしているように、お母さんも同じ気持ちであなたを見てくれているはず。
心から感謝できるのは数年先かもしれませんが、「ありがとう」と言葉にするだけで変わることもあるでしょう。とはいえ、産後のイライラは我慢しすぎないでくださいね。
桜井 まどか