2025年も半ばを過ぎ、日本では本格的な夏の訪れを感じさせる陽気が増してきました。日々の暮らしの中で、物価高騰のニュースに触れるたび、将来の生活資金、特に年金への関心が高まっている方もいらっしゃるかもしれません。
日本の公的年金制度は、一見すると複雑に感じるかもしれませんが、その仕組みを理解することは、老後の安心につながります。朗報として、2025年度の年金額は前年度から1.9%の引き上げが実施され、この改定された年金は6月13日の支給分から適用が始まっています。
この記事では、最新の年金額の具体例を挙げながら、日本の公的年金の基本的な「2階建て」の構造をわかりやすく解説します。
さらに、60代から90歳以上までの各年代が、実際にどれくらいの年金を平均で受け取っているのか、具体的なデータをもとに詳しく見ていきます。
1. 公的年金のしくみ
公的年金制度は「2階建て」になっており、1階部分にあたる「国民年金」の上に、2階部分にあたる「厚生年金」が積み上がっている構造です。
原則として、国内在住の20歳以上60歳未満の全ての人が加入するのは「国民年金」で、年金保険料(※1)は全員一律です。保険料を全期間(480月)納付すると、65歳以降で満額(※2)を受給できます。もし未納期間があれば、その期間に応じて満額から差し引かれます。
一方、会社員や公務員などが国民年金に上乗せして加入するのが「厚生年金」です。収入に応じた年金保険料(※3)を納めます。受給額は、加入期間と在職中の収入に応じて計算されます。基本的には、加入期間が長く、収入が高かった人ほど、将来受け取れる金額は多くなります(ただし上限あり)。
※1 国民年金保険料:2025年度は月額1万7510円
※2 国民年金の満額:2025年度は月額6万9308円
※3 保険料額は標準報酬月額(上限65万円)、標準賞与額(上限150万円)に保険料率をかけて計算される