清々しい秋風が吹き抜け、錦秋の彩りが空に映える時節となりました。

10月末となり紅葉が見頃を迎える一方で、暖房を使いはじめるご家庭も増えてきたのではないでしょうか。

光熱費や物価高による家計の負担が気になる季節です。

こうしたなか、「年金を月額20万円以上受け取っている人は、どれくらいいるのだろうか?」と、具体的な受給額に関心を持つ方もいるでしょう。

この記事では、厚生年金+国民年金を月額20万円以上(年間240万超)受給している人の割合を、一覧表を見ながら解説していきます。

平均年金月額もご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

1. 【年金の支給は2カ月に1度】公的年金制度は「国民年金・厚生年金」の2階建て

日本の公的年金制度は「2階建て」

厚生年金と国民年金の仕組み

出所:日本年金機構「公的年金制度の種類と加入する制度」等を参考にLIMO編集部作成

公的年金の支給日は「偶数月の15日」。15日が土日・祝日にあたる場合、直前の平日に前倒しされます。

次回の年金支給日は12月15日(水)となっており、11月分と10月分の年金が支給されるしくみです。

なお、日本の公的年金制度は「国民年金(基礎年金)」と「厚生年金」の2階建て構造になっています。

それぞれの基本を整理しましょう。

1.1 国民年金(1階部分)

  • 加入対象:日本に住む20歳以上から60歳未満の全ての人が原則加入
  • 年金保険料:全員一律(※1)
  • 老後の受給額:40年間欠かさず納めれば満額(※2)
  • 被保険者:第1号~第3号に分かれる(※3)

※1 国民年金保険料の月額:2025年度 1万7510円
※2 国民年金(老齢基礎年金)の月額:2025年度 6万9308円
※3 第1号被保険者は農業者・自営業者・学生・無職の人など、第2号被保険者は厚生年金の加入者、第3号被保険者は、第2号被保険者に扶養されている配偶者

1.2 厚生年金(2階部分)

  • 加入対象:会社員や公務員、またパート・アルバイトで特定適用事業所(※4)に働き一定要件を満たした方が、国民年金に上乗せで加入
  • 年金保険料:収入に応じて決まり(※5)、給与からの天引きで納付
  • 老後の受給額:加入期間や納めた保険料により個人差あり
  • 被保険者:第1号~第4号に分かれる(※6)

※4 1年のうち6カ月間以上、適用事業所の厚生年金保険の被保険者(短時間労働者は含まない、共済組合員を含む)の総数が51人以上となることが見込まれる企業など
※5 保険料額は標準報酬月額(上限65万円)、標準賞与額(上限150万円)に保険料率をかけて計算される
※6 第1号は、第2号~第4号以外の、民間の事業所に使用される人、第2号は国家公務員共済組合の組合員、第3号は地方公務員共済組合の組合員、第4号は私立学校教職員共済制度の加入者

次では、それぞれの平均年金月額を、厚生労働省の一次資料をもとに見ていきます。