著者の話で恐縮ですが、東京都出身の夫は銀行員を退職し、もともと大好きだった沖縄県へ移住しました。それがきっかけで夫と出会い結婚することができたのだと考えると、沖縄移住を決意してくれたことをありがたく思います。
同時に主人も1年の3分の2は半袖で過ごし、休みの日になれば家族で大好きな海を見ながらドライブをするという生活が自らにとっての大きな幸せであり、全ての原動力になっているそうです。こうした「地方移住を通した自己実現」を形にしている姿を見ていると、地方移住の素晴らしさを伝えたい衝動にかられます。
その一方で、どこの地方移住でも注意点があることをお伝えしたいのも事実。それは、一言でいうと「当たり前のことが当たり前じゃない問題」。特に首都圏や都心で働かれていた方にとっては、「当たり前」と思っていたことが「当たり前じゃない」ということが十分にありえます。
著者が県内のIT企業で人事として働いていた頃、「沖縄県のここがダメなんだよ」「東京ではこれ当たり前だよ」といった話をよく聞きました。もちろんごもっともな意見もあるのですが、何十年もそこに住んでいる人がそれを言われてどう思うのか、想像力を働かしてもらえると嬉しいなと感じるときもありました。
結果、溝は深まり馴染めない移住者は別の地方へ移るか、Uターンで戻ってしまうパターンも少なくありません。地方は未開拓な部分も多く、不便さを感じる点も場所によってはあるでしょう。もしご自身で譲れない部分があれば、それをどう補うのか、同じ移住仲間や移住者向けの相談施設等で事前に調べておくと理想のライフスタイルに近づくのではないでしょうか。
おわりに
これからさらに需要が高まると見られる「地方移住」。もし移住を検討されているのであれば、2019年度に実施される新制度はもちろん、移住者向けのウェブサイトや就職・転職の支援に力を入れている地域もありますので、まずは県や住みたい地域の情報収集から始めてみませんか。
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福島 知加