株式市場の振り返り-小幅反発、日経平均株価は8日ぶりに上昇
2016年4月7日(水)の東京株式市場は小幅反発となりました。日経平均株価は前日比+0.2%の上昇、TOPIXも+0.3%の上昇で引けています。日経平均株価は小幅高ながら、8日ぶりの上昇となりました。また、東証マザーズ総合指数は+4.9%上昇して大幅続伸となっています。新興市場が好調です。
日経平均株価は、前日比+23円の小幅高で寄り付いた後はマイナスに転じましたが、その後間もなく一時+155円高になる場面が見られました。しかし、前場は再びマイナスで引けた後、後場は開始間もなく一時▲79円安になるなど、前日終値を挟んだ水準での行き来が激しい動きになりました。結局、大引けは+34円高の15,749円となっています。
東証1部で上昇したのは1,023銘柄、値下がりは776銘柄、変わらず151銘柄でした。また、東証1部の出来高は21億1,241万株、売買代金は2兆898億円(概算)でした。依然として薄商いが続いています。
セクター動向と主要銘柄の動き-23業種が上昇、10業種が下落。上昇業種が意外に多い。
東証1部で上昇したのは23業種、下落したのは10業種でした。上昇率の上位は、医薬品+2.5%、石油・石炭+2.5%、鉱業+2.5%、情報・通信+1.8%などでした。一方、下落率の上位は、小売り▲1.0%、保険▲1.0%、非鉄金属▲0.9%、輸送用機器▲0.7%などです。相場全体が小幅高に終わった割には、上昇した業種が多かったこと、及び、円高が進行した割には、輸出関連株が大崩れしなかったことが特徴だったと言えます。
個別銘柄では、エーザイ(4523)、武田薬品工業(4502)、塩野義製薬(4507)などの医薬品株が上昇し、KDDI(9433)やソフトバンクグループ(9984)などの通信株も値を上げました。その他、任天堂(7974)、パナソニック(6752)、村田製作所(6981)などが上昇しています。一方、ファーストリティリング(9983)が大幅下落となり、円高進行を嫌気されたトヨタ自動車(7203)や富士重工(7270)などの自動車株も値を下げています。セブン&アイ・ホールディングス(3382)は日中の値動きが激しい展開でしたが、最後は安く終わっています。
本日のポイントと注目テーマと関連業種-“ユニクロ・ショック”の影響を注視、下値拾いは慎重に
7日は、場中に為替レートが108円台に突入する円高が進行したものの、大崩れすることなく大引けを迎えました。自動車など輸出関連株には下げた銘柄が多く、年初来安値を付けたものも目立ちましたが、ズルズル下がるような場面は少なかったようです。相場全体も昨日に続き“全然大崩れしなかった”というのが実感でしょう。
また、7日続落となっていた日経平均株価も小幅ながら反発し、とりあえずは、続落に歯止めがかかりました。ちなみに、もし8日続落となっていれば、2009年7月以来、約6年9か月ぶりになるところでした。7日の動きを見ている限りは、政府の景気対策や日銀の追加緩和策を求める“催促相場”の動きは止まっていません。引き続き下値模索には注意するべきかもしれません。
さて、決算発表が続く小売セクターでは、7日の引け後にファーストリティリングが通期見通しの下方修正を含む、非常に厳しい内容の決算を発表しました。同社の業績悪化には様々な要因がありそうですが、暖冬の影響も決して小さくなかったようです。桜が満開となり、春らしい暖かさが恒常化してきた現在、改めて暖冬によるマイナス影響を振り返る必要がると言えましょう。同じように、これから発表される各社の決算では、我々がすっかり忘れていたマイナス材料が出てくるかもしれません。
週末の8日(金)は、今回の“ユニクロ・ショック”が小売セクター、及び、株式相場全体に与える影響が懸念されます。また、米国で行われる予定の歴代FRB議長の討論会(セミナー)も、日本株や為替相場に影響を与える可能性があります。下値を拾う好機になると見られますが、その場合でもコツコツと最少投資単位で行う“打診買い”で臨むべきです。8日は、小売りセクターや自動車セクターの下押し局面、医薬品や公益関連などのディフェンシブ業種の下値拾い、などに注目したいと思います。
LIMO編集部