4. 【年金を増やす方法】「付加年金制度」＆「繰下げ受給」を知っておこう
年金額を増やすための工夫には、いくつかの方法があります。
たとえば、国民年金に未納期間がある場合には「追納」を行うことで、将来の受給額を満額に近づけることが可能です。
また、厚生年金に加入して働いている場合は、収入を増やすことで将来の年金額が上がる可能性があります。
あわせて、厚生年金では「加入期間」も受給額に影響するため、働き続けること自体が年金額の底上げにつながります。
ただし、国民年金には満額の上限があり、厚生年金にも支給額に制限があります。
収入を上げるにも限界があることを踏まえ、今回は「付加保険料の納付」と「繰下げ受給」の2つの方法を取り上げます。
4.1 【厚生年金に加入していない人向け】2年でモトが取れる「付加保険料の納付」
国民年金の付加年金制度は、定額保険料（2025年度は月額1万7510円）に加えて、付加保険料（月額400円）を上乗せして納めることで、将来の年金受給額を増やせる仕組みです。
付加保険料を納付できる人は？
- 国民年金第1号被保険者
- 65歳未満の任意加入被保険者
付加保険料を納付できない人は？
- 国民年金保険料の納付を免除されている人（法定免除、全額免除、一部免除、納付猶予、または学生納付特例）
- 国民年金基金の加入員である人
※個人型確定拠出年金（iDeCo）と付加年金は同時に加入することができますが、個人型確定拠出年金の納付額によっては併用ができない場合があります。
付加保険料を「20歳～60歳の40年間」納付した場合のケース例
65歳以降に支給される付加年金は、「付加保険料を納めた月数×200円」で算出されます。
たとえば、20歳から60歳までの40年間にわたって納付したケースで金額を見てみましょう。
- 40年間に納付した付加保険料の総額：19万2000円（400円×480カ月）
- 65歳以降に受け取れる付加年金額（年間）：9万6000円（200円×480カ月）
付加保険料を納めると、年金受給額に年間9万6000円が上乗せされます。
仮に40年間納付した場合の合計額は19万2000円となり、わずか2年の受給で元が取れる計算です。
