みなさんは「年金生活」に向けて計画を立てていますか。

総務省「2020年基準消費者物価指数全国2025年(令和7年)4月分」によると、消費者物価指数(総合指数)は、前年同月と比べ「3.6%上昇している」ことがわかりました。

老後は、現役時代に比べて収入が少なくなる傾向にあるため、計画的に老後資金の準備を進めておくことが大切です。

年金を受給している方で、年金やその他の所得が一定基準額以下の場合「年金生活者支援給付金」の支給対象になります。

しかし、請求手続きを行わなければ支給されないため、まずはご自身が支給対象となるのか確認する必要があります。

そこで今回は《年金生活者支援給付金》の支給対象者や給付額の平均について、わかりやすく解説します。

1. 「国民年金・厚生年金」の平均月額をチェック!

国民年金・厚生年金の平均月額1/5

国民年金・厚生年金の平均月額(男女全体・男女計)

出所:厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO編集部作成

厚生労働省の「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、公的年金の平均月額は国民年金(老齢基礎年金)で5万円台、厚生年金(国民年金部分も含む)で14万円台です。

ただし現役時代の年金加入状況により、厚生年金を月額20万円以上受け取る人から月額1万円未満となる低年金の人まで、大きな個人差があります。

年金とその他の所得を含めても、一定基準以下の低所得となる場合「年金生活者支援給付金」の支給対象となるかもしれません。

2019年にスタートした「年金生活者支援給付金」は、老齢基礎年金、障害基礎年金、遺族基礎年金を受給中で一定要件を満たす人が、年金に上乗せして受け取れる給付金です。

次では、この「年金生活者支援給付金」の支給要件や金額について整理していきましょう。

2. 3種類の「年金生活者支援給付金」

「年金生活者支援給付金」とは?2/5

「年金生活者支援給付金」とは?

出所:厚生労働省「年金生活者支援給付金制度」について

「年金生活者支援給付金」は、年金収入やその他の所得額が一定基準額以下の年金生活者を支援する目的で、2カ月に一度、年金に上乗せして支給される給付金です。

受給中の年金種類により「老齢年金生活者支援給付金」「障害年金生活者支援給付金」「遺族年金生活者支援給付金」の3つに分かれており、それぞれで支給要件や支給額などが決められています。

3. 「受給している年金の種類別」年金生活者支援給付金の支給対象者は?

年金生活者支援給付金の対象となる要件について見ていきましょう。

3.1 「老齢年金生活者支援給付金」支給対象となるのはこんな人

  • 65歳以上の老齢基礎年金の受給者
  • 同一世帯の全員が市町村民税非課税
  • 前年の公的年金等の収入金額(※1)とその他の所得との合計額が昭和31年4月2日以後生まれの方は88万9300円以下、昭和31年4月1日以前に生まれの方は88万7700円以下(※2)

※1 障害年金・遺族年金等の非課税収入は含まれません。
※2 昭和31年4月2日以後に生まれた方で78万9300円を超え88万9300円以下である方、昭和31年4月1日以前に生まれた方で78万7700円を超え88万7700円以下である方には、「補足的老齢年金生活者支援給付金」が支給されます。

3.2 「障害年金生活者支援給付金」支給対象となるのはこんな人

  • 障害基礎年金の受給者
  • 前年の所得(※1)が472万1000円(※2)以下

※1 障害年金等の非課税収入は、年金生活者支援給付金の判定に用いる所得には含まれません。
※2 扶養親族等の数に応じて増額

3.3 「遺族年金生活者支援給付金」支給対象となるのはこんな人

  • 遺族基礎年金の受給者
  • 前年の所得(※1)が472万1000円(※2)以下

※1 遺族年金等の非課税収入は、年金生活者支援給付金の判定に用いる所得には含まれません。
※2 扶養親族等の数に応じて増額

次では、3つの年金生活者支援給付金の支給金額について見ていきましょう。

4. 【支給は2カ月に一度】年金生活者支援給付金の平均はいくら?

「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、2024年3月における平均給付月額(※)は、老齢年金生活者支援給付金4014円、障害年金生活者支援給付金5555円、遺族年金生活者支援給付金5057円です。

※2024年3月において認定されている平均給付金額です。

4.1 【年金生活者支援給付金】2025年度は2.7%増えることが決定

年金生活者支援給付金の給付金額は、物価変動に応じて年度ごとに改定されます。2025年度の基準額は前年度から2.7%の引き上げとなりました。

6月振込分(4月分・5月分)から増額後の金額が支給されます。

【2024年→2025年】年金生活者支援給付金の支給金額3/5

年金生活者支援給付金の支給金額

出所:厚生労働省「令和7年度の年金額改定についてお知らせします~年金額は前年度から 1.9%の引上げです~」をもとにLIMO編集部作成

【2024年度】

  • 老齢年金生活者支援給付基準額(月額):5310円
  • 障害年金生活者支援給付金(月額):1級6638円・2級5310円
  • 遺族年金生活者支援給付金(月額):5310円

【2025年度】

  • 老齢年金生活者支援給付基準額(月額):5450円
  • 障害年金生活者支援給付金(月額):1級6813円・2級5450円
  • 遺族年金生活者支援給付金(月額):5450円

なお老齢年金生活者支援給付金は、上記の基準額に基づき保険料納付済期間等に応じて計算されます。

なお、いずれも「月額」の金額であり、実際には2カ月分をまとめて、年金に上乗せされます。よって、上記の金額を受け取れる場合、1回の支給で約1万円、年額にすると約6万円です。

5. パターン別「年金生活者支援給付金の請求手続き」を解説!

年金生活者支援給付金を受け取るためには、公的年金とは別の請求手続きがあります。

ここからは、年金生活者支援給付金の手続き方法について「これから年金を新規請求する人」と「すでに年金を受給中の人」の2つのパターンで解説します。

5.1 【パターン1】老齢年金を新たに請求する人の申請方法

これから65歳を迎える人には、誕生日の3カ月前に、老齢基礎年金の請求書に同封されて給付金請求書が届きます。

同封された給付金請求書に必要事項を記入し、老齢基礎年金の請求書とともに提出しましょう。

【年金生活者支援給付金】老齢年金を新たに請求する人の申請方法4/5

65歳の誕生日を迎え、老齢基礎年金を新規に請求する場合の申請方法

出所:日本年金機構「老齢基礎年金を新規に請求される方の請求手続きの流れ」

5.2 【パターン2】すでに年金を受給中の人の申請方法

すでに年金を受給中の人でも、所得が下がったことで年金生活者支援給付金の対象となるケースがあります。

このケースの場合、毎年9月1日以降、順次年金生活者支援給付金請求書(はがき型)が送付されます。請求書の太枠内を記入し、郵便ポストに投函すれば手続きできます。

なお、すでに年金を受け取っている方の中でも、繰上げ受給をしている場合は書類の様式が異なるため注意しましょう。

【年金生活者支援給付金】すでに年金を受給中の人の申請方法5/5

すで年金を受け取っている人の手続き方法

出所:日本年金機構「年金生活者支援給付金請求書(はがき型)が届いた方へ」

「年金生活者支援給付金」は、近年しばしば実施される「住民税非課税世帯対象の給付金」などの一時的な支援とは異なり、受給要件を満たす限り継続して受け取れる支援です。

一度手続きを行えば、その後の毎年の手続きは不要です。なお、継続支給の判定結果は前年の所得に基づき、毎年10月分(12月支給分)から1年間反映されます。

給付額が改定されると「年金生活者支援給付金支給金額改定通知書」が、支給要件を満たさなくなった場合には「年金生活者支援給付金不該当通知書」が届きます。

5.3 【給付金の豆知識】給付金が受け取れない3つのケース&自筆で書けない場合は? 

ただし、下記3つのいずれかに当てはまる場合、年金機構からの申請書類が届いた人であっても、給付金は支給されません。

  1. 日本国内に住所がないとき
  2. 年金が全額支給停止のとき
  3. 刑事施設等に拘禁されているとき

また、認知症や闘病中、目の見えない方など、自分で書くことが難しい場合は、代理人などの代筆で氏名などを記入することにより、請求手続きが可能です。

6. まとめ

ここまで《年金生活者支援給付金》の支給対象者や給付額の平均について解説しました。

年金生活者支援給付金は、受給している年金ごとに3種類あります。

支給対象となる場合、2カ月に1度公的年金に上乗せして支給されますが、申請手続きが必要です。

なお、年金生活者支援給付金は、2025年度の支給分から2.7%増えることが決定しています。

しかし、物価の上昇には追い付いていないため、実質的に目減りしている状況です。

物価の上昇を見据えたうえで、生活費や将来の備えについて考えてみてはいかがでしょうか。

※LIMOでは、個別の相談・お問い合わせにはお答えできません。

参考資料