総務省が2025年1月31日に公表した「2024年(令和6年)労働力調査」によると、65歳以上の就業者数は930万人にのぼります。前年と比較し、老後も働く方が16万人も増えているようです。
物価の高騰だけでなく、健康面での悩みなどで出費がかさむことで、働いて少しでも収入を増やしたいという声を耳にします。
現役世代にとっては、今の生活と比較し、老後はどのような生活になるのかイメージできず不安を感じている人もいることでしょう。
そこで本記事では、政府が発表する調査結果をもとに、老後生活のリアルについて詳しく見ていきましょう。
【70歳代】二人以上世帯の「平均貯蓄額」や、《厚生年金・国民年金・家計収支》の平均についても見ていきながら、今後の資産形成の参考にしてみてはいかがでしょうか。
1. 「平均寿命」は男性81.09歳、女性87.14歳、「健康寿命」は何歳?
厚生労働省が発表している「令和5年簡易生命表」によると、現在の平均寿命は男性81.09歳、女性87.14歳(いずれも2023年時点)です。
また、2025年1月に総務省が公表した「2024年(令和6年)労働力調査」によると、全就業者数6781万人のうち、65歳以上の就業者数は930万人と、前年に比べて16万人も増加しています。
このように、シニアになっても元気に働く方々が増えるなか、健康寿命は、男性72.57歳、女性75.45歳となっています(2022年時点)。健康寿命とは、「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」のことです。
ここで気になるのが、健康寿命と平均寿命の差です。
働くシニア世代を後押しするしくみは整いつつありますが、医療費や介護費などがかさむ世帯が増える時期でもあります。健康面での不安を感じることも増えるでしょう。
このような時期には、貯蓄を取り崩しながら年金生活を送る世帯も増えるかもしれません。そのため、貯蓄をしっかりと計画し、年金生活を安定させることが大切です。
次章から、70歳代世帯がどれくらい貯蓄しているのか、その実態を見ていきましょう。