2018年11月28日に行われた、あすか製薬株式会社2019年3月期第2四半期決算説明会の内容を書き起こしでお伝えします。IR資料

スピーカー:あすか製薬株式会社 代表取締役社長 山口隆 氏
あすか製薬株式会社 専務取締役 丸尾篤嗣 氏

損益計算書(連結)

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丸尾篤嗣氏:おはようございます。本日はご多忙の中、あすか製薬の決算説明会においでいただきまして、ありがとうございます。私からは、まず2018年度上期の連結決算概要について、お話をしたいと考えてございます。

まず、2018年度上期の売上高でございます。2017年度まで、2期連続で過去最高の売上高を更新してございましたが、この上期の実績は234億7,700万円で、対前同でマイナス15億7,600万円となりました。やはり薬価改定等の影響を受け、減収となってございます。

続きまして、売上原価でございますが、140億3,000万円です。原価率は59.8パーセントということで、前期に比べて1ポイント改善してございます。

この結果、売上総利益でございますが、94億4,600万円。前年度マイナス3億7,600万円となってございます。

次に、販売費及び一般管理費でございますが、84億8,600万円。これはのちほどご説明しますが、研究開発費等の増加を主因に5億3,600万円の増加となってございます。

この結果、減収に加えて販管費の増加が加わったことにより、営業利益は9億6,000万円で、前年比マイナス9億1,200万円となってございます。

経常利益が10億7,800万円、当期純利益が7億4,300万円。いずれも減益ということで、この上期につきましては減収減益の決算となってございます。

事業別売上高(連結)

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今度は、連結の売上高について、事業別に見たものでございます。

全体の約9割を占める医療用医薬品が209億600万円、マイナス17億9,900万円となってございます。

一方、動物用医薬品でございますが(全体に対する)ウエイトは約1割です。こちらは24億6,200万円で、水産用薬品等が堅調に推移したということで、対前同でプラス10.3パーセントというかたちになってございます。

その他には、子会社で行っている検査事業・健康食品事業が含まれてございますが、1億800万円ということで、前年比でほぼ横ばいというかたちになってございます。

主要製品売上高

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今度は主力の医療用医薬品について、売上高を領域別に見たものでございます。

この上期につきましては、主力の「チラーヂン」が30億1,000万円ということで、対前同で114.4パーセントと非常に堅調に推移してございます。

それから「リフキシマ」は、2016年の11月に発売してございますが、こちらも順調に伸びて11億7,800万円、対前同で353.6パーセントとなってございます。

その他、産婦人科の先発品である「ノルレボ」「メノエイド」が、それぞれ105.9パーセント・123.7パーセントと堅調に伸びてございます。

一方、大きく減少した品目が(内科の)「リピディル」の11億1,700万円、対前同で49.3パーセント。こちらはジェネリック品が発売されてその影響を受けたことと、対抗品が出たことで、大きな減少になっています。

その他、ジェネリック品である(内科の)「カンデサルタン類」「アムロジピン」や(泌尿器科の)「ビカルタミド」といったところが、薬価の引き下げの影響を受けてマイナスになっているというかたちでございます。

以上が、2018年度上期の結果でございます。2018年度全体の見込みでございますが、こちらは今後の薬価改定時期やその影響等、大変不透明な要因が多いという点を踏まえ、現在精査を行っている途中でありまして、現時点では前回のIRと同様に本年(2018年)5月時点の計画をそのまま記載してございます。

営業利益増減分析(対前同)

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今度は営業利益の増減について、対前同で分析を行ったものでございます。

2017年度上期営業利益の18億7,200万円に対しまして、まず売上高の減少に伴う売上総利益の減少が、マイナス3億7,600万円となりました。

それから、研究開発費の増加が3億4,000万円。これは、「ウリプリスタル(CDB-2914)」の臨床試験が大きく進展していることに伴う、研究開発費の増加というかたちになってございます。

それから、減価償却費がマイナス7,100万円。こちらは、本年4月に新システムを導入しまして、その償却が始まったことが、増加の主な要因となってございます。

その他販管費の増加が1億2,400万円となり、結果として2018年度上期の営業利益は9億6,000万円となってございます。

貸借対照表(連結)

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今度は連結の貸借対照表について、2017年度末と2018年度上期末を比較したものでございます。

総資産でございますが、662億3,500万円から828億3,600万円と、約166億円増加してございます。

増加の一番の原因でございますが、無形固定資産が2017年度末の33億3,400万円から、この(2018年度)上期末は160億3,700万円と増加した影響が大きくなってございます。これは、新製品の候補品の開発販売権取得や知的財産権などを取得したことで、大きく膨らんでございます。

一方、純資産でございます。利益剰余金の増加等によりまして437億8,300万円と、前年度末の425億5,900万円から増加してございます。

ただ、総資産の伸びが純資産の伸びを上回ったことから、自己資本比率につきましては52.9パーセントということで、2017年度末の64.3パーセントから低下してございます。

2018年度業績予想(連結)

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最後は、2018年度の連結業績予想でございます。

こちらの数字につきましては、薬価改定の時期や影響や新製品の立ち上げを見極める必要があり、現在精査を行っている途中でございまして、前回のIRと同じく2018年5月時点の公表値を、そのままこちらに記載してございます。

私の説明は、以上でございます。どうもありがとうございました。

2018年度上期総括

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山口隆氏:みなさま、おはようございます。

お忙しいなか、私どもの決算説明会にご出席をいただきまして、厚く御礼を申し上げます。

私から2018年度上期の総括ということで、お話をさせていただきたいと思います。また、下期のトピックスも含めてお話をさせていただきたいと思います。お手元の資料がございますので、それに準じてご説明をさせていただきます。

今日の内容でございますが、まず、上期の総括。それから、下期のトピックスとして「リフキシマ」の更なる浸透、産婦人科領域新製品、甲状腺領域の取り組み。それから新規事業の国際事業部の新設について、最後に開発パイプラインという順番でお話しさせていただきたいと思います。

上期につきましては、先ほど専務の丸尾からお話をさせていただきましたが、結果としては減収減益でございます。ただ、「カンデサルタン類」も薬価改定の影響はございますが、数量ベースではアップしているということで、非常に厳しい中でもしっかり売上を確保している状況です。

「リュープロレリン」は、やはり薬価改定の影響はございましたが、市場のニーズがありまして、非常に伸長している段階でございます。

「リフキシマ」につきましても、価値の最大化ということで、症例の拡大を進めていまして、この上期にも売上が伸長してございます。これから下期も、「今年度に大きく伸長させる計画をやろう」ということで、注力をしています。

我々としては「今年度は、産婦人科領域へのパワーを集中させていこう」ということで、取り組みをしてございます。そのような中、上期に武田薬品工業さんとの「relugolix」のライセンス契約締結をしました。これが、大変大きなパワーになると思います。

今開発中の「ウリプリスタル」の権利を持っているHRA社との今後の知的財産権に関する売買契約を締結しまして、今後、我々の日本における「ウリプリスタル」の開発が非常に有利にできる権利を獲得したということでございます。

ノーベルファーマさんとの提携による「ジェミーナ配合錠」も2018年10月4日に発売しまして、今販売促進に努力しているところでございます。

それから、これからのことでございますが、「フリウェル配合錠LD・同ULD『あすか』」のオーソライズド・ジェネリックも承認を取得しまして、販売できる状況を待っているところでございます。

それから、パイプラインです。これは泌尿器領域でございますが、我々の自社開発の「AKP-009」がPhaseⅠに入りまして、今進行中でございます。それから、「AKP-015」は甲状腺領域のアンメット・メディカル・ニーズのものでございますが、これはPhaseⅠが終了しまして、申請に持っていける状況になってございます。

それから、武田薬品工業さんの「TAK-385(relugolix)」。これは子宮筋腫・子宮内膜症に向けたものでございます。子宮筋腫については、すでに2018年2月に製造販売承認申請済でございまして、承認と販売の時期を待っている状況です。それから子宮内膜症については、これからPhaseⅢを準備して、我々で進めていく状況でございます。非常に大きな進展が見られています。

それから、我々のもう1つの大きな新しい試みとして、UAEのOmnicare社との合弁会社をインドに設立しました。インドでの生産を開始する工場の起工式を行いまして、これから竣工を迎えるプロジェクトもスタートをしています。

これらのような上期の状況を踏まえて、下期に向かっていくという状況でございます。

リフキシマ実績推移

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まず、「リフキシマ」につきましては、上期では非常に大きく売上を伸展させまして、下期も大きな売上目標を立ててございます。年度としては非常に大きく伸展していくということで、価値の最大化に注力していき、これから「リフキシマ」の大きな勝負の時期を迎えていくところでございます。

肝性脳症治療への着実な浸透

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「リフキシマ」は非常に、施設1軒あたりの売上高も増えています。

肝性脳症の中で約20パーセントを確保しているということで、これからのガイドラインを含めて「1st line」に選定されるように、しっかりと活動をやっていきたいと思っています。

ドクターからも「非常に優秀な製品である」という評価をいただいていますので、今後も医療に使われるように、患者さんにしっかり寄与できるように、我々も「リフキシマ」の浸透活動をしていきたいと考えています。

産婦人科新製品

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産婦人科領域です。これは、我々にとって大きなチャンスを迎えるところです。

先ほどご説明させていただきましたが、ノーベルファーマさんと共同でやっている「ジェミーナ配合錠」を2018年10月に発売しました。我々は今、コ・プロモーションということで、販促活動を行っています。それから、「フリウェル配合錠」のオーソライズド・ジェネリックも、今後2018年12月の発売を待っている状況です。

それから、先ほどご説明しました「relugolix」についても2月に申請済ということで、承認・発売を待ちながら投入時期を探っていくということでございます。そしてこれから、今開発中の子宮筋腫の「ウリプリスタル」や子宮内膜症の「relugolix」へつなげていくということです。

これらの3製品が出てきますと、我々の産婦人科領域におけるプレゼンスが非常に大きく上がってくるということで、我々は大きく期待していますし、それに対して注力していくかたちでございます。

月経困難症治療剤 『ジェミーナ配合錠』(10月4日発売)

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「ジェミーナ配合錠」は(2018年)10月4日に発売しまして、ノーベルファーマさんとコ・プロモーションを続けています。

日本で初めてのレボノルゲストレル含有の、超低用量のエストロゲン・プロゲスチン配合剤でございます。周期投与と連続投与が可能な非常に優れた製品ということで、医療現場でも非常に評価が上がっているものでございます。これの販売活動をしっかり行っているところでございます。

月経困難症治療剤 『フリウェル配合錠LD・ULD「あすか」』

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これは、「フリウェル配合錠」のオーソライズド・ジェネリックです。

これも、これから販売を待っているということです。月経困難症治療剤ということで、「ジェミーナ配合錠」と同じ領域ですが、これの販売を進めていきたいと考えています。

relugolixに関するライセンス契約締結について

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「relugolix」につきましては、先ほどご説明しましたとおり、武田薬品工業さんからの導入です。

これをしっかりやっていくことで、さらに産婦人科のプレゼンスが上がる起爆剤になっていくと感じています。

産婦人科市場

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今、産婦人科領域は、非常に大きく市場が上がっています。

その中でも、この「性ホルモン+抗腫瘍領域」。このような部門が大きな市場になっていまして、そこに新しいものを登場させていくというのが、我々の戦略でございます。医療ニーズがこれからも非常に高まっていく中で、市場に新しい製品を投入していくというストーリーを、これからやっていくことになるわけであります。

産婦人科製品パイプライン ライフステージ別

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産婦人科領域には思春期・生殖年齢期・更年期・老年期とありますが、今我々はこれだけの製品を持っています。

生殖年齢期の部分に新しい製品を投入していこうというプロジェクトを、現在進めているところでございます。

営業体制の変化

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「リフキシマ」の価値の最大化、それから産婦人科領域に注力するということで、営業活動の専任MRを選定しまして、ここで活動のパワーを上げていくということです。

グラフの赤の部分が産婦人科、それから、緑の部分が「リフキシマ」です。専任の部隊を作って価値の最大化を図っていくことを、今年から取り組んでいます。

甲状腺領域の取り組み

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次に、甲状腺領域でございます。これは基礎薬品として、我々にとっては大きな売上の基礎になる領域でございます。

今は市場が非常に大きく伸びてきていますし、我々は98パーセント以上のシェアを誇っているということで、これが我々の将来へ向けた戦略の中で、基本的な姿になっていくと思います。

そのような中で生産体制も考えており、いわき工場に第4製剤棟を作りました。その中でも、我々の主力の「チラーヂンS錠」について、年間で約8億錠の生産ができるようにやっていくということです。高活性製剤を含めて、ここで生産をやるかたちが、だんだん整いつつあるということでございます。

また、(スライド右下の)このような学会活動を含めて、今後の啓発活動も続けていくということで、我々にとって非常に大きな活動になっていくと思っています。

国際事業部の新設 ~グローバルへの取り組み~

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もう1つの新しい試みの中で、我々としては、やはりグローバルの試みを進めていこうということです。我々の持っているものや、製品の導出。それから、向こうでいろいろな事業をやっていこうということです。アジアで、ビジネスの探りを始めました。

また、インドで工場を作ることによって、東南アジアでの活動を探っていくことをスタートしています。インドJV工場は、NeoASKA Pharma Private Limitedという社名でスタートいたします。我々は30パーセントの出資でございます。2020年に稼働ということで、今スタートしているところでございます。

ここでのいろいろな生産活動は、我々がしっかり形にしていかなければいけないと考えており、我々にとっては、新たな挑戦のスタートということでございます。

開発パイプライン

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最後に、開発パイプラインについてご説明をさせていただきます。開発段階が進んでいるものから、順番に並べてございます。

まず、「AKP-015(レボチロキシンナトリウム)」のPhaseⅠを終了しています。これはアンメット・メディカル・ニーズということで、PhaseⅡ・PhaseⅢは不要で、申請準備中です。

「TAK-385(relugolix)」につきましては、もう申請済みでございますので、承認・発売を待っている状況です。

次に、「CDB-2914(ウリプリスタル)」。これにつきましては、PhaseⅢが順調に進行していて、しっかりと仕上げるという状況でございます。

それから、子宮内膜症の「TAK-385(relugolix)」。これは今、PhaseⅢの準備を進めていまして、この(2018年度)下期中に入っていきたいと考えてございます。

FSH(卵胞刺激ホルモン)の不妊症(の「AKP-501」)については、今はPhaseⅠの段階でございます。

「L-105(リファキシミン)」につきましても適用拡大ということで、今はクローン病がPhaseⅠに入っています。(肝性脳症の)小児の適用については、今は準備中です。

それから、先ほどご説明しましたが、「AKP-009」。泌尿器の前立腺肥大症を適用にして考えていますが、自社開発のものです。今はPhaseⅠを開始している状況で、パイプラインも非常に充実してきています。

ASKA PLAN 2020

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最後に中計「ASKA PLAN 2020」につきましては、今は売上高の想定目標として2020年度に700億円という数字を出しています。

ただ、環境が非常に大きく変化していまして2020年度の想定目標がどのようになるかは精査中ですので、今回はこの数字で出しています。精査をしてしっかりした数字がまとまり次第、中計についても修正したかたちでお示ししたいと思っています。

私の説明は、以上でございます。

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