公的年金の支給額は、物価や現役世代の賃金の動きを踏まえたうえで、年度ごとに見直しがおこなわれます。

2025年度の年金額が改定され、2024年度と比べ1.9%の引き上げとなりました。

なお、私たちの老後を支えとなる「公的年金」は、働き方や加入期間などによって受給額が異なります。

そのため、老後の生活設計が立てにくいと感じている方もいるのではないでしょうか。

そこで今回は「公的年金のしくみ」や、国民年金・厚生年金における「60歳~90歳代の平均受給額」 を一覧表でわかりやすく解説します。

長らく物価の高騰が続いているため、今の生活だけでなく《老後に向けたお金の準備》についても意識することが大切です。

「特別支給の老齢厚生年金」についてもご紹介しますので、老後の生活設計にお役立てください。

1. 【公的年金のしくみ】老後に受給できる「年金の種類」をチェック!

【写真】厚生年金と国民年金の仕組み

厚生年金と国民年金の仕組み

出所:日本年金機構「公的年金制度の種類と加入する制度」等を参考にLIMO編集部作成

公的年金制度は「2階建て」になっており、1階部分にあたる「国民年金」の上に、2階部分にあたる「厚生年金」が積み上がっている構造です。

原則として、国内在住の20歳以上60歳未満の全ての人が加入するのは「国民年金」で、年金保険料(※1)は全員一律です。保険料を全期間(480月)納付すると、65歳以降で満額(※2)を受給できます。もし未納期間があれば、その期間に応じて満額から差し引かれます。

一方、会社員や公務員などが国民年金に上乗せして加入するのが「厚生年金」です。収入に応じた年金保険料(※3)を納めます。受給額は、加入期間と在職中の収入に応じて計算されます。基本的には、加入期間が長く、収入が高かった人ほど、将来受け取れる金額は多くなります(ただし上限あり)。

※1 国民年金保険料:2025年度は月額1万7510円
※2 国民年金の満額:2025年度は月額6万9308円
※3 保険料額は標準報酬月額(上限65万円)、標準賞与額(上限150万円)に保険料率をかけて計算される