こうした関係は、こちらが仕事で行き詰まったときなど、いざというときには、何の力にもなりません。だからこそ、人脈を広げようと「浅いつながり」にムダに時間を費やすよりも、いざというときに頼れる人間関係を築くべきでしょう。

SNSを駆使していろいろな場に顔を出し、人脈を広げるのではなく、まずはひとりで自分を磨き、その上で、お互いに信頼できる相手との関係を深めることに時間を使うべきなのです。

「一緒に仕事したい」と思われる人とは?

そもそも、いくらSNSでつながったり、現実の集まりで名刺交換をしたりしても、「実力のない人と一緒に仕事をしよう」などとは誰も思いません。

たとえば、何かのプロジェクトを立ち上げるためのメンバーを探すとき、実力のない人を誘ったりするでしょうか。実力がないけど仕事を探している人をどこかに紹介するなど、自分の評判を損なうようなことをするでしょうか。

このように、具体的なシチュエーションを考えてみればわかるとおり、いくら人とのつながりを増やしたところで、実力が足りなければ、それを活かすことはできないのです。

筆者の榎本氏の著書(画像をクリックするとAmazonのページにジャンプします)

人脈づくりよりも重要なこと

とくに若いころに大事なのは、人脈云々よりも、まずは実力をつけることです。そのためには、目の前の課題をこなせるように全力を尽くし、「もっと能率よく、もっと正確に、もっと完成度の高いものを」と自分を磨き続ける必要があります。

そうして実力をつけていけば、自然と頼れるつながりができあがり、その中でさらに実力を発揮していくことができるはずです。

言われてみれば当たり前ですが、少なくとも、まわりから「仕事ができる人」と評価されるようになるまでは、人脈づくりに精を出すのではなく、まず実力をつけましょう。

 

■ 榎本博明(えのもと・ひろあき)
心理学博士。1955年東京生まれ。東京大学教育心理学科卒。東芝市場調査課勤務の後、東京都立大学大学院心理学専攻博士課程中退。川村短期大学講師、カリフォルニア大学客員研究員、大阪大学大学院助教授等を経て、現在MP人間科学研究所代表。心理学をベースにした企業研修・教育講演を行う。主な著書に『「上から目線」の構造』(日本経済新聞出版社)など。

榎本氏の著書:
孤独 ひとりのときに、人は磨かれる

榎本 博明